今月14日付けの「溜池通信」の特集は、「2022 年の国際情勢を読むヒント」でしたが、
記事の中でも、 ユーラシアグループの”Top Risks 2022”の解説が勉強になりました。
その第 1 位の「ゼロ・コロナ政策の失敗」についての、「かんべえ」さんの解説は次のとおりです。
『‥‥第 1 位の「ゼロ・コロナ政策の失敗」は、なるほどと思わせるものがある。
これまで中国はほぼ完全にコロナ感染を閉じ込めてきたが、だからこそ今が困難な状況となる。
はるかに感染力の高い変異種に対抗するために、
より広範なロックダウンと効果の低い(mRNA 方式でない中国製の)ワクチンで立ち向かうしかない。
ところが初期の成功体験があるし、習近平の思い入れもあるから、軌道修正ができないのである。
来月 4 日には、北京冬季五輪の開会式が迫っている。
北京とは目と鼻の先の天津でオミクロン株が急拡大し、全市民1400 万人への PCR 検査を決めたとか。
大会組織委員会では、北京五輪への中国本土の観客は認める方針だが、
チケットの販売方法がいまだに未公表というあたりから、事態の深刻さを窺い知ることができる。
コロナ下の五輪がいかに大変かは、昨年の東京五輪で思い知らされた。
その結果、日本では菅義偉内閣が退陣することになったが、中国で同じことはできないだろう。
五輪の重圧は日本の比ではあるまい。
また、今年の”Top Risks”においては、誰もが重視している「米中新冷戦」(Cold War 2.0)を
リスクにあらず(Red Herrings)、と断じている点にイアン・ブレマー氏の「らしさ」を感じる。
他人がリスクだと言っているものは、その時点で既に予想に折り込まれているからリスクではない。
他人が気づいていないものこそが「リスク」となるのである。‥‥』
う~む、なるほど‥‥。
他人が気づいていないものこそが「リスク」となるのですか‥。
それにしても、「ゼロ・コロナ政策」って、本当に実現が困難なものなのですね。
なにせ、相手は目に見えないウイルスだし‥‥。
言葉が悪いかもしれませんが、なんだか私には、
中国という社会主義の国が、国民を対象に壮大な「統治の実験」をしているかのように思えてなりません。
国際社会の知見となれば別の話だけれど‥‥。