今月2日の「PRESIDENT Online」で、元外交官で作家の佐藤優さんが、
アメリカのバイデン政権は「国際情勢を分析する専門家がプーチンの論理をわかっていない」として、
次のようなことを述べられていました。鋭い分析と指摘がとても勉強になります。
『‥‥バイデン大統領の弱点は、民主主義国が団結すれば全体主義に勝つものと思っていることです。
世界がイデオロギーでは動かないことが、わかっていません。
さらに、ソ連崩壊後の混乱で砂糖や石鹸の入手にさえ苦労した耐乏生活を経験しているロシア人が、
経済制裁に屈しない人たちだということも、バイデン大統領はわかっていないのです。
アメリカ政府で国際情勢を分析する専門家のレベルが、基準に達していない。
そのことは、昨年夏のアフガニスタンからの米軍撤退を見れば明らかでした。
21年7月、バイデン大統領は
「(反政府組織タリバンが全土を制圧する可能性は)ありえない」としていましたが、
8月にタリバンは全土を掌握。ガニ政権の正規軍は30万人もいたのに、
わずか7万のタリバンにまったく歯が立たないことを、事前に読めていませんでした。
アメリカ型の正義がいつも勝つわけではないという半年前の失敗から、何も学んでいないのです。‥‥』
う~む‥‥。(絶句)
世界はイデオロギーでは動かないものなのですね‥。
現実の冷徹さに言葉を失い、「正義は勝つ」と信じることが空しく思えてきます。
「民主主義国が団結すれば全体主義に勝つ」という価値観