しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

いつまでも「不覚の士」ではいられない

今月26日に配信された日経新聞電子版のメールサービス

「【Editor's Choice】編集局長が振り返る今週の5本」を読んで、いろいろと考えるところがありました。


編集局長は、佐賀藩葉隠」において山本常朝が説いた

「覚の士」と「不覚の士」の教えを紹介されたうえで、次のように述べられていました。


『‥‥「武士道=死」とは自爆テロも辞さない狂信者の危険思想のように聞こえるかもしれません。

 常朝が訴えたかったのは絶えず「死」を意識して生きることで

 「生」のあり方も変わってくるということです。

 「貴きも卑しきも、老いも若いも、悟っても死に、迷っても死ぬ」(現代語訳)。

 死が誰にも避けられないものであるならば、

 その死がいつ来てもいいように武士たるものは備えておくべきだ、というのが常朝の教えです。

 そのうえで常朝は「覚の士」と「不覚の士」の違いについて説いています。

 前もって起こりうることを吟味し尽くしておいて、いざという時に備えるのが「覚の士」であり、

 事前に十分な検討をしておかない「不覚の士」と区別。

 「不覚の士」がたまたまうまく事を乗り切ることがあっても、それは偶然に過ぎないと戒めています。

 幸いにも、私たちは死を日常的に意識することはあまりない平和な時代に長らく生きてきました。

 しかし、ロシアによるウクライナ侵攻は

 そんな天下太平の時代がいつまでも続くわけではないという警鐘を私たちに投げかけています。

 米国への対抗を念頭に軍備を急ピッチで増強する中国や

 相次ぐミサイル発射で威嚇を続ける北朝鮮を近隣に抱える日本も

 いつまでも「不覚の士」ではいられません。』


そして、編集局長は、選んだ記事における次のような指摘を紹介されていました。

・米国との「核シェアリング(共有)」の議論の前に、

 ウクライナが住民の避難用に整備、ロシアへの抗戦にも貢献している地下シェルターの準備などを

 日本も早急に考えるべき。

・残念なことに「考えたくない事態は考えない」という思考回路がはびこる日本では

 シェルターどころか、ミサイルからの避難をメニューに盛り込んだ国民保護訓練すら

 政治家や官僚の不作為で中断したままだ。


う~む、なるほど‥‥。

私たちに「考えたくない事態は考えない」という思考回路がはびこってるのは、ご指摘のとおりだと思います。

南海トラフ地震など巨大地震への備えもさることながら、

中国や北朝鮮に対する備えについても、真剣に考え、

かつ、具体的な行動に移すことが大切であることを学んだ次第です。