昨日の日経新聞一面コラム「春秋」を読んで、「民間防衛」の基本や心構えについて学ぶことができました。
とても大切なことが書かれていたので、その全文を引用させていただき、この日記に残しておこうと思います。
『核兵器の使用や第3次世界大戦。
何十年も仮定の底に沈めてきた言葉を嫌々見つめ直さねばならない仕儀となった。
何かの参考になればと手に取ったのが、スイス政府発行の指南本「民間防衛」(邦訳版、原書房)である。
同国は2世紀前から永世中立をうたってきた。
他国を絶対に侵略しないし、他国からの侵略も決して許さない。
それでも万が一、戦火に巻き込まれたとき、国民一人一人が取るべき対処法が極めて具体的に記される。
爆撃で倒壊した建物や瓦礫(がれき)への近づき方、
下敷きになった人の救助・運搬、化学兵器や核による攻撃までをも想定し、
防護と避難の方法を指示している。
冷戦下の1969年、全世帯に配布されたという。
精緻なシミュレーションが描く戦争の様相はぞっとするほど現代の世界と似る。
「弾着のにぶい音がして、夜の空気が震動する/あちこちで避難所は直撃弾の下に崩れていく。
ある地下室は全滅した。これが戦争の現実だ。生きようと思えば戦わなくてはならない」――。
たとえ敗れて占領されたとしても終わりではない。最終章ではレジスタンス(抵抗運動)の心得を説く。
「勇気を失うな。絶望にとらわれてはならない」。
同時に「黙って好機を待て/一人として国民の中から無駄に死ぬ者を出してはならない」。
読みながら自由を守るべく今この瞬間も必死に闘う人々の姿を思い描いた。』
う~む、なるほど‥‥。
恥ずかしながら、「民間防衛」という言葉とスイス政府が発行する本の存在を初めて知りました。
また、このコラムを読んで、内村鑑三「デンマルク国の話」の中の、次のような言葉を思い出しました。
『‥‥国は戦争に負けても亡びません。
実に戦争に勝って亡びた国は歴史上けっして少なくないのであります。
国の興亡は戦争の勝敗によりません、その民の平素の修養によります。
善き宗教、善き道徳、善き精神ありて国は戦争に負けても衰えません、
否、その正反対が事実であります。‥‥』
平和ボケになっている自分を戒めるためにも、
コラムで紹介された本も必ず購入して、精読したいと思っています。