NHKテレビテキスト、100分de名著「アリストテレス~ニコマコス倫理学」を読了し、
同時にテレビ番組の視聴も終えました。
テキストの執筆者で番組の指南役は、東京大学大学院教授の山本芳久さんでした。
本書では、第4回「友愛とは何か」についての、次の「定義」が勉強になりました。
「友愛」成立の三条件 ①好意=相手に善を願う ②相互性 ⓷気づかれていること
「友愛」の三種類 ①人柄の善さに基づいた友愛 ②有用性に基づいた友愛 ⓷快楽に基づいた友愛
また、哲学書についての、次のような記述も印象に残りました。
『優れた哲学書を読む魅力は、単にその著者の思想の内容を知ることのみにあるのではありません。
その著者の思索の道筋や方法論に触れることによって、
私たちが自らものを考えていくさいの思索の進め方の手がかりを得ることも、
哲学書から学ぶことのできるとても重要な要素です。』
『一見地味で私たちの日常生活とは無縁のようにも思われる大昔の哲学書を繙き、
私たちの日常生活と結びつけながらそうした書物に再び生命を与え直すことによって、
私たちの日常生活もまた生命を与え直される、そういうことが常に起こりうるのです。
一冊の書物と出会い、その書物を読み続けるということは、
そのような大きな可能性を秘めた営みなのです。』
二千年の時を超え、人類には変わらない「知を求める営み」があることを知ることができました。