今日は町立図書館に行って、7月31日(日)から8月6日(土)までの、
朝日新聞一面コラム「折々のことば」を、まとめ読みしてきました。
この一週間で印象に残ったのは、
7月31日の高坂正堯さんと8月6日の外山滋比古さんの「ことば」でした。
それぞれの「ことば」と鷲田清一さんの解説は、次のような内容でした。
「われわれは富の格差について考えるとき、存在する富だけを考えてはならないのである。
『戦後新興国の多くは、旧植民地国が引いた線で囲われ、
諸部族の寄せ集めで国家を急拵(ごしら)えするほかなかった。
が、植民政策によって諸部族の価値観は破壊され、富を産む能力も削がれていた。
いわゆる南北問題には富を産むこの能力の差が大きく、それを埋めるには時間がかかると、
政治学者は言った。この格差問題は今や先進諸国自身が内に抱える。「国際政治」(改版)から。』
「考えごとをしていて、テーマができても、いちずに考えつめるのは賢明でない。
しばらく寝させ、あたためる必要がある」
『一つの問題をじっと見ていると、視野が狭まり、思考が行き詰まる。
そういう時は熱(ほとぼ)りをさますため、しばし忘れ、放置しておくこと。
中心から周辺部にいったん移すのだ。
すると、思考の縛りが解けて、他のアイデアとの思いがけない繋がりが閃光のように浮かぶことも。
弛めることの大きな効用。英文学者の「思考の整理学」から。』
う~む、なるほど‥‥。「弛めることの大きな効用」ですか‥。
しかし、悲しいかな私は、「閃光のように浮かぶ」という体験をしたことがありません。
思考が「弛みっぱなし」ということなのでしょうね、きっと‥‥。(トホホ)
高坂先生の「ことば」も、「存在する富でないもの」とは何かについて、ない頭で必死で考えた次第です。