身構えていた台風14号の影響もそれほどなく、無事に一日が過ぎ去ろうとしています。
時折、思い出したように強い風が吹き、雨は思っていたほどには降りませんでした。
でも、油断は大敵です‥。自然災害は何が起こるか分かりませんものね‥‥。
(午後5時過ぎから、強い風が断続的に吹くようになりました。)
さて、『知略を養う 戦争と外交の世界史』(出口治明著:かんき出版)を読了しました。
著者は、本書の「はじめに」で、次のように述べられています。
『自分の経験だけでは考えずに、戦争と条約締結の裏側で展開された人間模様を学ぶことが、
人生の急場を救ってくれるかもしれない、そんな思いからこの本を書きました。』
このお言葉のとおりに、勉強になることが多い本でしたが、
そのなかでも、第8章の「第一次世界大戦後のヴェルサイユ条約と第二次大戦時の大西洋憲章」が、
読み応えがありました。現代の紛争の火種はすべて第一次世界大戦にあるのですね‥。
そして、本書の「おわりに」で書かれていた、著者の次のような言葉も、強く印象に残った次第です。
『戦争と外交の歴史は、僕たちの人生の歴史と合わせ鏡のような関係にあるような気がします。
財産や恋人をめぐる争い、横暴で強欲な隣人や上役との人間関係など、
それに対応する知恵もまた、戦争と外交の歴史の中に隠されています。』
『理不尽な状況に置かれても自分を失わないタフネスは、豊富な知的財産から生まれると思います。
換言すればそれが、最善の仲直りの仕方を導いてくれるのではないでしょうか。』