しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

新聞一面コラムでの詩の引用

今日は成人の日です‥。

愛媛新聞一面コラム「地軸」は、その成人の日に関するコラムで、

谷川俊太郎さんの「十八歳」と「まなび」という、二編の詩が引用されていました。


『ある夜 僕はまったくひとりだった 想い出をわすれ 本棚と雲に飽き

 おさないいかりとかなしみと 僕はにがく味わった 雨のふる夜 僕はほんとにひとりだった 』(十八歳)

『本を たくさん 頭の中に あるばむを 一冊 胸の中に

 そして 出来るなら 天国を 心に深く わたしはもちたい

 くるかもしれぬ 独りの時のために』(まなび)


そういえば、一昨日7日の日経新聞一面コラム「春秋」は、労働組合に関するコラムで、

吉野弘さんの「挨拶」という詩の一節が引用されていました。


『誰も苦しみをかくしている。

 誰も互いの苦しみに手を触れようとせず 誰も互いの苦しみに手を貸そうとしない。

 そうして 時に 苦しみが寄り合おうとする。』


私は、谷川俊太郎さんの詩の中では「あなたはそこに」が、

吉野弘さんの詩の中では「夕焼け」が、大のお気に入りです‥。

新聞一面コラムでの詩の引用は、忘れていたこれらの詩を、再び思い出させてくれます‥‥。


追記

ちなみに、さきほどの吉野弘さんの「挨拶」という詩には、次のような一節もあります。

『不器用な苦しみたちは いつも黙っている。 でなければ しゃべっている。

 なんとか自分で笑おうとしている。 ひとを笑わそうとしている。 そうして どこにも笑いはない。』