今月25日に配信された日経電子版のニュースレター
「Editor's Choice 編集局長が振り返る今週の5本」を読んで、「セレンディッポの三人の王子」という物語と、
「セレンディピティー(Serendipity)」という言葉を初めて知りました。
この言葉の意味するところについて、井口哲也編集局長による次のような解説がありました。
『「セレンディッポの三人の王子」は私が社内の研修などでも時々紹介する物語で、
「セレンディピティー(Serendipity)」という言葉の語源でもあります。
最初にこの言葉を使ったのは18世紀前半に初代英国首相を務めたロバート・ウォルポールの息子、
ホレス・ウォルポールだったとされています。
1754年に友人に書いた手紙の中で「セレンディッポの三人の王子」を引用しながら、
「偶然と明敏によって予期せぬ発見をする」ことを意味する
セレンディピティーという自らの造語に言及しました。それが今に引き継がれ、
例えば「広辞苑」では「思わぬものを偶然に発見する能力」などと説明されています。』
そして、井口編集局長は、
・3人の王子がラクダの特徴を言い当てられたのは「偶然の発見」ではなく、
手に入れた情報をしっかりと分析した結果の「必然の発見」ではなかったか。
・目にした事象について、なぜだろうと思いを巡らせていたからこそ、
3兄弟はラクダ引きの問いかけに反応できたのではないか。
・セレンディピティーの女神は努力をしない者に偶然にほほ笑んでくれたりはしない。
このように指摘されたうえで、
「玉石混交の情報がネットにあふれる時代だからこそ、情報の意味をしっかりと吟味できる
3人の王子のような役割がメディアにも求めらる。」と述べられていました。
井口編集局長による配信は今回が最終回とのことでしたが、
毎回、日経電子版を読むうえでの着眼点や、新しい話題や知識を知ることができました‥‥。
追記
ネットで調べみると、「物語のあらすじ」について次のような分かりやすい解説がありました。
・セレンディッポは現在のスリランカのことで、
1972年にイギリスから独立するまでセイロンと呼ばれていた島
・‥‥旅に出た三人の王子は、ベーラム皇帝の国にたどり着き、ラクダに逃げられたラクダ引きと出会う。
ラクダを見なかったかと尋ねられ、三人はラクダの通った足跡しか見なかったのにもかかわらず、
実際にラクダを見たと返答する。「そいつは片目のラクダだろ?」と第一の王子。
「そのラクダは歯が一本抜けてるね?」と第二の王子。
「それに、片足を引きずっているよね?」と第三の王子。
彼らはラクダを実際に見てはいないのに全て当たっていた。
「道端の草が左側だけ食べられていたので、ラクダの右目は見えないとわかりました」、
「草のかみ跡で、ラクダの歯が抜けていたのがわかりました。」、
「片側の足を引きずったような跡がありました。」‥‥。