「マクナマラの誤謬」‥‥。
「数字にばかりこだわり物事の全体像を見失うこと」を意味するそうです。
この言葉の由来となったのが、7年にわたり米国防長官を務めたロバート・マクナマラとのことだと、
昨日、NHKで放映された「ベトナム戦争 マクナマラの誤謬」を視聴して、初めて知りました。
数値では計れないベトナム人の愛国心やアメリカ市民の反戦感情に目を向けず、その結果、
ベトナム戦争では、合わせて300万人以上(アメリカ兵6万人、ベトナム人300万人)の死者を出す
泥沼の戦いとなりました。
ベトナム戦争を泥沼化させ、アメリカを敗北に導いたある天才の過ちの物語が、今回の番組内容でした。
番組では、最後に流れた糸井羊司アナウンサーの、次のようなナレーションが強く印象に残りました。
「マクナマラの誤謬」という言葉を創ったアメリカの社会学者、ヤンケロビッチの警告です。
『20世紀になって私たちは、数字で測れるものはすべて計測するようになりました。
マクナマラの数字第一の戦略は、アメリカの政策を正しく導けませんでした。
計測できるものは計測して、計測できないものは忘れようと考えるのは、致命的な失敗の第一歩なのです。
これは未来の私たちにも、大きな危険をもたらしうるのです。』
数字という客観的な事実だけでは、世の中を正しく見ることはできないことを、
番組を通じて学んだ次第です‥‥。