しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

人の中に自由をそだてる

今日は町立図書館に行って、6月2日(日)から8日(土)までの

朝日新聞一面コラム「折々のことば」を、まとめ読みしてきました。

この一週間で印象に残ったのは、三つの「ことば」でした。


まず、6月2日(日)は、鶴見俊輔さんの

「小事はこれを他にはかり、大事はこれをみずから決すというのが、先生の信条だった。」

という「ことば」で、いつものように鷲田清一さんの、次のような解説がありました。


『文字が書けなくなって辞職を願い出た時、上司だった仏文学者の桑原武夫が、

 きみは病気だ、病気中に辞めればゆきづまる、

 今は給料をとって、その後改めて考えればいいと言ってくれたと、哲学者はふり返る。

 明晰にできるのは手段まで、決断の当否を引き受けるのは本人。

 「人の中に自由をそだてる稀有の人だった」と。「追詞」から。』


「小事はこれを他にはかり、大事はこれをみずから決す」が、桑原武夫さんの信条だったとのことですが、

普通の人はこの逆で、「大事はこれを他にはかり、小事はこれをみずから決す」ですよね。

「人の中に自由をそだてる稀有の人」‥。

そのような上司に巡り合えたのは、人生最大の幸福なのだと思います‥‥。


そして、翌6月3日(月)の同紙一面コラム「天声人語」は、没後100年のカフカに関する内容で、

次のようなことが書かれていました。

『‥‥「生きることは、たえずわき道にそれていくことだ。

 本当はどこに向かうはずだったか、振り返ってみることさえ許されない」。

 そんな言葉を残し、カフカは40歳で亡くなった。きょうでそれから、ちょうど100年になる。』


頭木弘樹さん編訳の『絶望名人カフカの人生論』(新潮文庫)には、

「けっきょく、わき道こそが、本当の道とも言えるのかもしれません。」と書かれてありました。

「絶望の中に希望を見いだす」ということでしょうか‥‥。