しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

何という悲しい、壮(いさま)しい思想

大地を強く打つ、深夜の雨が止んだ後には、夏の強い日差しが待ち受けていました。

今回のまとまった雨で、この夏の渇水の心配をしなくてよさそうです‥。


さて、この歳になってようやく『破戒』(島崎藤村著:新潮文庫)を読了しました。

今受講している放送大学の印刷教材『原点で読む日本の思想』(頼住光子著)に、

次のような文章が書かれているのを読んだからです。


『‥‥(北村)透谷や島崎藤村などがロマン主義に基づいた作品を発表するが、

 藤村は、「近代的自我」の目覚めと苦悩とを直視し、ありのままに描いた小説「破戒」を発表して、

 ロマン主義から自然主義に移行した。自然主義は、ゾラなど19世紀末のフランスを中心にはじまり、

 事実を美化せず有体に捉え自然な生を描き出すことを主張し、

 日本では藤村や田山花袋などにより、赤裸々な自己告白の文学として発展した。』


小説の中身は「文学史上はじめて近代的小説となった」という評価に相応しく、読み応えがありました。

途中からやたらと「体言止め」が多くなったのが、私は気になりましたが‥。


『破戒ーー何という悲しい、壮(いさま)しい思想(かんがえ)だろう。』

読了後にも、小説のタイトルになったこの言葉が、しばらく頭から離れませんでした‥。

小説で描かれた内容は、分断が進む現在の世界をそのまま映しているかのようでした‥‥。