町立図書館で借りてきた『銃を持つ民主主義』(松尾文夫著:小学館)を読了しました。
本書の要点は、次の記述に集約されていると思うので、長くなりますが引用させていただき、
この日記に書き残しておこうと思います。
『‥‥権利章典第七項とは、第二章「武力行使というDNA」で触れたように、国王に対して、
当時は「自由人」と呼ばれた一般市民が、自衛のための武器をもつ権利を文書で認めさせたもので、
常備軍をもつ国王の専制化に歯止めをかける民兵組織を制度化し、
イギリス立憲君主制の発足をサポートした規定である。
この当時としては極めて過激な規定は、そのまま大西洋を渡り、
アメリカ植民地での民兵制度の基礎となり、その民主主義に「武力行使というDNA」を埋め込む。
「銃をもつ民主主義」の原点である。
アメリカ独立はこの民兵部隊による国王派遣の常備軍に対する勝利の結果であった。
そしてこの権利章典第七項から生み出された「武力行使のDNA」は、
市民の権利として銃の保持を認める合衆国憲法修正第二条となって、
アメリカ民主主義のインフラに定着する。その後、この「銃を持った民主主義」は、
先住インディアンの「排除」と黒人奴隷の「差別」という影を引きずりながら、
「明白な天命」を信じて西へ西へと拡大を続ける。
第一次、第二次世界大戦、東西冷戦ーーと勝利を重ね、朝鮮戦争での引き分け、
ベトナム戦争での敗北を経験しながらもいま、一人勝ちの局面に立つ。
広島、長崎での実戦使用を皮切りに、核兵器でも圧倒的優位に立つ。‥‥』
いゃあ~、実に読み応えのある本でした。
「武力行使というDNA」を通じて、「アメリカの歴史」を学ぶことができました‥。
日本版「ドレスデンの和解」は、著者の没後に実現することになりますが、
そういう意味では「予言の書」にも読めて、なんだか感慨深いものがあります‥‥。