しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

民主主義に潜む独裁の危険性

愛媛新聞で随時連載が続いている「レコンキスタの時代」‥。

昨日からは、米中央情報局(CIA)の元工作担当官グレン・カール氏への

インタビュー記事の連載が始まりました。

カール氏は、19世紀フランスの思想家・政治家トクヴィルの「アメリカのデモクラシー」を引用しながら、

「米国民主主義の逆説」について、次のようなことを述べられていました。


『‥‥米国の政体は個人の権利を尊重し、とことん平等を尊重する真の民主主義であるが故に、

 自壊への種を胚胎している。トクヴィルはこの逆説を見て取った』

『とのわけ危惧したのが(地位の平等化が進み、上下関係がなくなると、逆に権威主義的指導者や

 独裁者といった)「ストロングマン」を求める衝動が頭をもたげてくるということだった』

『なぜなら、人間を取り巻く自然界はヒエラルキー(序列)に支配されているからだ。

 家族がよい例だ。親子は対等ではない。幼い子は親(という権威)に寄りかからないと生きていけない』

『これが自然の秩序だ。長い年月を経て骨の髄まで刷り込まれ、人間の最も深い部分に宿っている。

 民主主義システムはそうではない。本能ではなく、理性に働きかける仕組みだ』

『(いくら理性が発達しても)人は本能から逃れられない。

 ストロングマンはそんな情理の裂け目に忍び込む。「私に従えば救済される」と。

 トクヴィルは200年近くも前に、民主主義に潜む独裁の危険性を見抜いていたのだ』


なるほど、「地位の平等が進むほど、権威への郷愁を呼び起こしかねない」のですね。

トランプ前大統領が一定数の米国民に熱烈に支持される、その理由が少し理解できたように思います‥。

次回の連載記事も楽しみにしています‥‥。