しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

サッカーW杯を終えて‥

サッカーW杯は決勝が行われ、スペインが延長戦の末に「1」対「0」でアルゼンチンに勝利し、

2010年大会以来となる2度目の優勝を果たしました。その勝利の瞬間を、私はテレビ観戦していました‥。


サッカーといえば今日の日経新聞に、「FINANCIAL TIMES」のコラムが掲載されていました。

コラムのタイトルは、「中印、サッカー大国への道遠く」でした。


国際サッカー連盟(FIFA)が主催する男子サッカーW杯に中国が出場したのは2002年だけで、

インドはまだ出場を果たしていません。世界で最も人口が多い国々であっても、

世界で最も人気の高いスポーツでは弱いのはなぜなのか?


コラムの最後には次のようなことが書かれていました。

『中国とインドには豊富な人材プール、経済力の拡大、

 世界各地に広がる移民ネットワークと成功する材料がそろっている。

 しかしサッカーで成功するには裾野の広がり、確実にプロ選手に育てるルート、

 レベルの高い海外リーグとの強い連携が必要で、それらは時とともに効果が倍増する。

 サッカー文化はお金を積んでも買えず、一夜で築くこともできないのだ。』


なるほど、納得のご指摘です‥。

さらにコラムでは、特に中国に関して、有識者の次のような指摘も紹介していました。

『中国の上意下達式の選手育成法は体操や飛び込みなどの個人競技では五輪の金メダルを量産しているが、

 サッカーでは難しいと指摘する。サッカーはチームスポーツであり、選手同士の連係や自主性、

 独創性は地域クラブや子供の頃のボール遊びなど多様な場で育まれることが多いからだ。』


そういえばうろ覚えですが、

「中国は6人を超えるスポーツではなかなか勝てない」という趣旨の記事を読んだ記憶があります。

たとえば、サッカー(11人)や野球(9人)、ラグビー(15人)など‥。

どうやらその国の「お金」と「人口」だけでは、多人数の団体競技で勝利することは難しそうです。

当該スポーツにかかる「文化的土壌」も、プラスαで必要のようです‥‥。

AIに負けない人間の価値

連日、厳しい暑さが続いています。あぁ、まだ7月なのに‥。


さて、今日の日経新聞「直言」に、久保文明・前防衛大学校校長へのインタビュー記事が掲載されていました。

インタビューの中では、強く印象に残った次のようなQ&Aがありました。

Q.人間の仕事がAIに置き換えられていく時代だ。国防の現場でAIに負けない人間の価値は何か。

A.戦場でAIに「全員突撃せよ」と指令を出されて突撃するだろうか。

 危険な職場で命令に従わせるのは機械の一言ではできない。

 上司と部下の信頼関係は長年にわたり面倒を見たり、

 家族の心配までしてあげたりすることを積み重ねた結果ではないか。

 自衛隊は人間の組織だ。エモーショナルな人間関係や信頼感は残るだろう。


このQ&Aは、AIの代替が難しい仕事とは何かを教えてくれます。

現場で最後に指示を受けるのは生身の人間。最後に問われるのは「幹部の人間力」。

これは自衛隊だけでなく、民間企業や官公庁などの組織一般にも当てはまるのではないでしょうか‥。


久保前校長のお話しから、自衛隊の厳しい草創期や幹部教育において、

不当な批判や逆境に耐え抜くための心の支えとして語り継がれてきたといわれる、

ドイツの詩人・シラーの言葉を思い出しました。

「大いなる精神は静かに忍耐する」‥‥。

まるで「高僧の法話」を聴いているよう

先日、NHKスペシャル「私の往生際 養老孟司が見つめた“生と死”」を視聴し、

NHK「ラジオ深夜便」の聴き逃し配信で、養老さん出演の「ともに歩む100年人生」を聴きました。

特にラジオの方は、アンカー上田早苗さんの養老さんへの質問の仕方がお上手でした。


上田さんとの会話の中で養老さんは、「メメント・モリ(死を思え)」のことをおっしゃっていました。

この言葉はラテン語の修道院のあいさつで、

それに対する返事の言葉が「カルペ・ディエム(その日を生きよ)」です。

死を思うからこそ今このときを生きる、ということ。日本語の「一期一会」に近しいものがあります。


このテレビとラジオを視聴してから、20年以上前に出版された『バカの壁』(新潮新書)を読み返すと、

2024年に5年生存率約10%の悪性肺がんが見つかり、

自らを“生と死”のはざまに置くことになったことで、養老さんの人間とその社会への洞察力は、

当時よりもさらに深く、重みを増しているように感じました。

そう、それはまるで「高僧の法話」を聴いているようでもありました。


こんな境地に達っしてみたいけど、凡人の私にはとうてい真似できるものではりません‥‥。

せめてあと10分‥

朝のセミの合唱も日ごとに賑やかになっています‥。

学校は今日が1学期の終業式で、明日から夏休み。

拓郎さんの「夏休み」には、♬ ひまわり 夕立 セミの声 という歌詞があります。

子供の頃、「西の浜」で泳いでいると、突然夕立が降ってきたものでした。

炎天下が続く中、この一雨が欲しいです‥‥。


さて今日、放送大学「現代経済理論」のWeb単位認定試験の回答を送信しました。

択一式なのですがどの問題も私には難しかったです。

にもかかわらず回答制限時間は50分。あぁ、せめてあと10分ほしかったです‥‥。

山崎豊子「不毛地帯」と「男の美学」

久しぶりの読書感想文です‥。


シベリア抑留を経て商社マンとなった男の半生を描いた山崎豊子さんの長編小説

『不毛地帯(全5巻)』(新潮文庫)をようやく読了しました。

著者の作品を読むのは『沈まぬ太陽』以来のことでした。


第5巻の「解説」では評論家の権田萬治さんが、次のようなことを書かれていました。

『‥‥壹岐(本書の主人公)は社の中で次々とピラミッドの頂点に向かって駆け上がって行くが、

 目の前に広がる、かれの生き抜かなければならない現代の国際商戦の世界もまた、

 雪のシベリアと同じく、不毛地帯のなのである。

 この何とも救いようのない色濃い孤独の影と、死者たちの亡霊につきまとわれながら、

 非情に生き抜こうとする壹岐の肖像には、不思議な男の魅力が漂っている。

 泥にまみれながらそれを恥じるういういしさが残っている。

 あえていえば、ここには男の美学というべきものがあるのである。

 著者は、一つの目的を孤独に耐えながら執拗に追求し続ける人間を常に愛情をもつて描いてきた。

 男であろうが、女であろうが、善人であろうが、悪人であろうが、

 とにかくひたむきな人間が好きなのである。‥‥』


はぃ、私がこの「男の美学」を感じたのは、老害が顕著となった大門社長に退陣を迫り、

壹岐自らもその大門社長とともに退任することを決断する、そんな場面でした。


本書の後半は、イランでの石油開発をメインに進行していきます。

本書が書かれてからおよそ半世紀‥。

日本という資源のない国家の命運が、中東の石油と密接に結びついているのは、

イラン軍事衝突が起きている今現在も変わることはありません‥‥。