今月5日の朝日新聞デジタル版「異論のススメ」に、
『憲法9条の矛盾~平和守るため戦わねば』というタイトルの論評を
寄稿されていました。
保守の論客である佐伯先生は、
朝鮮半島有事の可能性が現実味を帯びてきた今日ほど
憲法の存在が問われているときはないだろうとして、
国の防衛と憲法の関係について、次のように述べられていました。
少々長くなりますが大事なことが書かれている箇所なので引用させていただきます。
『憲法9条は、まず前半で侵略戦争の放棄という意味での平和主義を掲げる。
それはよいとしても、後段にある戦力の放棄と交戦権の否定は、
そのまま読めば、いっさいの自衛権の放棄をめざすというほかない。
少なくとも自衛権の行使さえできるだけ制限しようとする。
なにせ戦力をもたないのだから、自衛のしようがないからだ。
これが成り立つのは、文字通り、
「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼」できる場合に限られるだろう。
そして、そのようなことは、戦後世界のなかでは一度も生じなかった。
国連憲章を引き合いに出すまでもなく、自衛権は主権国家の固有の権利である。
憲法は、国民の生命、財産などの基本的権利の保障をうたっているが、
他国からの脅威に対して、それらの安全を確保するにも
自衛権が実効性をもたなければならない。
つまり、国防は憲法の前提になる、ということであり、
憲法によって制限されるべきものではない。
そのことと、憲法の基調にある平和への希求は決して矛盾するものではない。
平和主義とは無条件の戦争放棄ではなく、
あくまで自らの野心に突き動かされた侵略戦争の否定であり、
これは国際法上も違法である。
もしもわれわれが他国によって侵略や攻撃の危機にさらされれば、
これに対して断固として自衛の戦いをすることは、
平和国家であることと矛盾するものではなかろう。
いや、平和を守るためにも、戦わなければならないであろう。』
う~む、なるほど……。
経済成長やグローバル資本主義に関する佐伯先生のお考えには、
にわかに同調できないところがありますが、
国防と憲法の関係については、佐伯先生のおっしゃるとおりだと思います。
ただ、不思議なのは、朝日新聞が「異論のススメ」として
佐伯先生の論評を掲載していることです。
私は、佐伯先生のお考えこそが「正論」だと思うのだけど、違うのかな……?
追記
今日は午前中、久しぶりに雨が降りました。
京都滞在中の三日間は良いお天気に恵まれて幸運でした。
甥っ子の日頃の行いが良く、神様が味方してくれたのかもしれません……。
私といえば旅行の疲れがドッと出て、今日は一日、自宅で「まったり」していました。
この時間になって、ようやく日記を書く体力が戻って来ました。