この日記でも何度も紹介していますが、
私の好きなブログに、
双日総合研究所副所長の吉崎達彦さんこと「かんべえ」さんの「溜池通信」と、
東洋学園大学教授の櫻田淳さんこと「雪斎」先生の「雪斎の随想録」があります。
そのお二人が、たまたまなんでしょうが、
2月2日(木)と3日(金)の産経新聞「正論」に、それぞれ評論を投稿されています。
今日は、そのうちの「かんべえ」さんの評論を紹介します。
『米紙ニューヨーク・タイムズが年明け早々のオピニオン欄に、
「日本の失敗という神話」という論考を掲載していた。
日本をよく知るジャーナリストのイーモン・フィングルトン氏が、
バブル崩壊後の日本は実はうまくやってきたのではないかと論じている。
たとえば、
①過去20年間に日本の平均寿命は4・2歳も伸びた。
生活の洋風化にもかかわらず、今や日本人はアメリカ人よりも4・8歳も長生きである。
②最速のインターネットサービスが利用可能な世界50都市のうち、38都市が日本にある。
③失業率は4%台で、アメリカの約半分である。
④「失われた数十年」に、東京では150メートル以上の高層ビルが81棟建設されたが、
これはアメリカの主要都市を上回る。
⑤ミシュランの三つ星店は東京には16店もあるが、2位のパリは10店である。
いわく、「日本は失敗した国」という認識で日本を訪れると、
皆アメリカ人よりいい服を着ているし、最新のいいクルマに乗っているし、
「これほど多くのペットが甘やかされているのを見たことがない」と、衝撃を受けるのだそうだ。』
確かに、東京をたまに訪れると、いつも高層ビルが建設されているし、
街も相変わらず活気に溢れていて、田舎から上京した私には、
「失われた20年」といった雰囲気がほとんど感じられないのが実感でした。
一方で、若者の就職が極めて厳しい状況にあることや、円高やデフレなどにより
日本経済を取り巻く環境は厳しいものがあることは紛れもない事実だと思うのです。
一体、どちらが日本の本当の真実の姿なのでしょうか?
「日本の失敗」は神話なのでしょうか?
自分自身を振り返ると、ここ10年間ほど手取り収入はずっと減り続けており、
生活実感からは、やはり「長引く不況」のような気がしています。