良寛和尚が登場しましたが、偶然というにはあまりにタイミング良く、
『うらを見せ おもてを見せて 散るもみぢ』という言葉が掲載されていました。
そして、いつものように鷲田清一さんの次のような解説がありました。
『華やかな一色に染まり、盛りとともに風に吹かれてさっと散る、
その散り際がよしと愛(め)でられる桜よりも、寒空に散るもみぢを好む人は多い。
傷跡(きずあと)もふくめ、風雨に晒(さら)されてきたその姿を
まだらに染めつつ、一葉一葉、そっと枝から離れる。
陽(ひ)のほうを向かなかった裏までぽっと染めて、
澄んだ冷気に微(かす)かなほてりを与える。
幼子たちとよく戯れた江戸後期の僧侶の辞世の一句。』
良寛和尚といえば、
『散る桜 残る桜も 散る桜』というあまりに有名な句が
私は辞世の句だと思っていましたが、もう一句あったのですね…。
知りませんでした。
我が家の庭の大小二本のヤマモミジも、このところの寒暖の差で、
ようやく紅く色づくようになりました。
といっても、普段、ほとんど手入れをしないためか、
その容姿はお世辞にも「美人」とは言えません。
鷲田さんの解説によると、桜よりもモミジを好む人は多いとのことでした。
散り際が潔い桜も好きだけれど、
私もどちらかといえば、「モミジ派」なのかもしれません。
庭にシンボルツリーを植える際には、迷わずヤマモミジを選びました。
初夏の新緑や秋の紅葉、そして、葉を全て落とした冬に、凛と孤高に立つ姿…。
四季折々に、私の心を癒してくれます。