しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

複雑なパズル

今月12日のmsn産経ニュース「正論」は、
吉崎達彦双日総合研究所副所長の『アベノミクス、3つの成功と課題』でした。
吉崎さんとは、この日記でもたびたび紹介している「かんべえ」さんのことです。

今回の「正論」で書かれていた内容は、
「溜池通信」の最新号で書かれていた内容と一部重複するものがありました。

違った内容となっていたのは、来年の課題についてです。
「溜池通信」では、2014年の日本経済にとっては、
4月の消費税3%アップ(約7.5兆円の負担増)の影響が最大の難関とされていたのに対し、
「正論」では、製造業の競争力回復と原発再稼働とされていました。

「かんべえ」さんによると、
以前の日本経済と違って、輸出が伸び悩む一方で輸入は着実に増えており、
ほぼ毎月1兆円のペースで貿易赤字が出ていているそうです。

輸入品目のなかでは、鉱物性原料の輸入が拡大していているそうですが、
これは、原発が止まっているために化石燃料の輸入が増えているからで、
この分が、なんと3〜4兆円分を占めているとのことでした。

そして、「かんべえ」さんは、
安全が認められた原発は徐々に再稼働を認め、
貿易赤字の縮小を目指すべきであると主張されています。

ご案内のとおり、現在、国内では原発は一基も稼働しておりません。
それでも停電することもなく、私たちが平穏に生活を送れているのは、
火力発電所がフル稼働しているためです。

ただそのために、毎月1兆円のペースで貿易赤字が出ていることを思うと、
なんだか複雑な気持ちになります。

消費税増税による負担増、製造業の競争力回復、原発再稼働による貿易赤字の縮小…。
いずれも重要な課題であることは間違いありません。

ただ、これらの課題はお互いにリンクしていて、
まるで複雑なパズルを解くように、その解決は大変困難な作業を伴う気がします。