『官房長官 側近の政治学』(星浩著:朝日新聞出版)を読了しました。
著者によると、名官房長官の条件には3つの要因があるとされます。
第一に、時代が有能な調整者を必要としているかどうか。
第二に、時の首相が有能な官房長官を探して抜擢し、使い続けることが必要。
首相に眼力と胆力が備わっているかどうか。
これも名官房長官が生まれる必須条件である。
第三に、そうした抜擢に応える能力を備えているかどうか。
このような観点から、著者は「ベスト3」をあげています。
1位は情報の後藤田正晴
2位はバランスの福田康夫
3位はペースチェンジの大平正芳
これとは逆に、官房長官に向かない政治家の3人もあげられています。
自分の考えを抑えて首相に仕え、
調整役に徹しなければならないという点で、
これらの3人は不向きだと述べられています。
さて、ここからが感想です。
私は、大平正芳さんの思想・信条に共感するところがあり、
関連の書籍もいくつか好んで、この日記でも紹介していますが、
官房長官としてもベスト3にあげられていて、
その政治家としての稀有な資質を改めて認識した次第です。
それにしても、
記者会見で理路整然と答弁する歴代の官房長官を思い出すにつけ、
その仕事ぶりは私から見ると神業としか思えません。
「側近」といいつつも、
実は、日本の政治を動かしているのは「官房長官」なのかもしれません。

- 作者: 星浩
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2014/06/10
- メディア: 単行本
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