しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

側近というナンバー1

官房長官 側近の政治学』(星浩著:朝日新聞出版)を読了しました。
著者によると、名官房長官の条件には3つの要因があるとされます。

 第一に、時代が有能な調整者を必要としているかどうか。

 第二に、時の首相が有能な官房長官を探して抜擢し、使い続けることが必要。
 首相に眼力と胆力が備わっているかどうか。
 これも名官房長官が生まれる必須条件である。

 第三に、そうした抜擢に応える能力を備えているかどうか。

このような観点から、著者は「ベスト3」をあげています。

 1位は情報の後藤田正晴
 2位はバランスの福田康夫
 3位はペースチェンジの大平正芳

これとは逆に、官房長官に向かない政治家の3人もあげられています。

 小沢一郎小泉純一郎菅直人

自分の考えを抑えて首相に仕え、
調整役に徹しなければならないという点で、
これらの3人は不向きだと述べられています。

さて、ここからが感想です。
私は、大平正芳さんの思想・信条に共感するところがあり、
関連の書籍もいくつか好んで、この日記でも紹介していますが、
官房長官としてもベスト3にあげられていて、
その政治家としての稀有な資質を改めて認識した次第です。

それにしても、
記者会見で理路整然と答弁する歴代の官房長官を思い出すにつけ、
その仕事ぶりは私から見ると神業としか思えません。

「側近」といいつつも、
実は、日本の政治を動かしているのは「官房長官」なのかもしれません。

官房長官 側近の政治学 (朝日選書)

官房長官 側近の政治学 (朝日選書)