読書・文学
古書店で買った『ある男』(平野啓一郎著:文春文庫)を読了しました。「愛したはずの夫は、まつたくの別人だった」‥。表紙に書かれたこの言葉に興味をそそられたからです。「無国籍」「戸籍の交換」「在日」「犯罪加害者と被害者、そしてその家族」など、い…
雨が止んだ後は、暖かく過ごしやすいお天気になりました。季節が一か月、さかのぼったような感じです‥。 さて、今頃になって、『オレたちバブル入行組』(池井戸潤著:文春文庫)を読了しました。こちらも古書店の書棚で見つけたものです。平成最高の視聴率…
放送大学で「アメリカ史」を学ぶ際の参考図書として、『新「帝国」アメリカを解剖する』(佐伯啓思著:ちくま新書)を読了しました。古書店の書棚で偶然見つけたもので、発行年月日も古いですが、十分に役に立ちました。 その一つが、アメリカの重要な思想伝…
放送大学で「アメリカ史」を学習する際の参考図書として、『砂糖の世界史』(川北稔著:岩波ジュニア新書)を読了しました。 著者は本書の「エピローグ」で、モノを通じて歴史をみることで、どんなことがわかるのか、大事なことが二つあると述べられています…
『プリンシプルのない日本』(白洲次郎著:新潮文庫)を読了しました。本書の「カントリー・ジェントルマンの戦後史ーー白洲次郎の直言集」のなかでは、やはり「プリンシプルのない日本」の章に書かれた、次の一節が強く印象に残りました。 『何と何がどうか…
窓の外から遠く、秋祭りの子どもたちの「提灯行列」の笛の音が聞こえてきます‥。 さて、「笛の音を聞け」ではありませんが、遅ればせながら、村上春樹さんのデビュー作『風の歌を聴け』(講談社文庫)を読了しました。本書で印象に残ったのは、主人公の友人…
『町内会~コミュニティからみる日本近代』(玉野和志著:ちくま新書)を読了しました。 昨年の年初から地区(大字)と自治公民館、つまり世間で言われる「町内会」の役員に就任したものの、その位置付けや役割、自分の立ち位置などが、いま一つしっくりこな…
町立図書館で借りてきた『日本沈没 (上)・(下)』(小松左京著:小学館文庫)を読了しました。著者の作品を手に取るのは、『復活の日』以来です。いゃあ~、本書は言葉では表現することが難しい、それほど壮大で深遠な本でした。 単なるSF小説ではなく…
夏目漱石の遺作で未完の長編小説『明暗』(新潮文庫)を読了しました。 いゃあ~、これは「スゴイ」小説でした。「スゴイ」と言うのは、登場人物、とりわけ女性の心の奥底までを見事に描き切っているからです。その意味では、スリリングな「心理小説」の極致…
『知的戦闘力を高める独学の技法』(山口周著:)を読了しました。著者の作品を手に取るのは、『武器になる哲学』以来のことです。もっともこちらは、ほぼ積読状態になっていて、時々ページをめくる程度です。 本書の中で印象に残ったのは、「リベラルアーツ…
今日から9月となりました。こちらではそれなりの雨をもたらした台風は、遠く過ぎ去ったものの、強い日差しを伴う暑さは、いっこうに過ぎ去る気配がありません。それでも、肌に感じる風は、いくぶんか優しくなったような気がします‥。 さて、長く積読状態だ…
午後4時30分頃に、短い時間ですが雨が降りました。怠慢な私は、この慰め程度の雨で、今日の庭木への水やりを止めることにしました。 さて、『破獄』(吉村昭著:新潮文庫)を読了しました。昭和11から昭和22年にかけて、4つの刑務所を脱獄した無期刑…
雲がかかって、今にも雨が降りそうなのに降らない‥。一雨降った後の涼しさを期待しているだけに、その期待が裏切られたストレスはいかばかりか‥。 さて今日は、ケーブルテレビで、第27回「俳句甲子園」を視聴しました。毎年この時期に楽しみにしているイベ…
干天の慈雨のあとは、たった一日で厳しい暑さが戻ってきました。寝苦しい夜から一日も早く解放されたいです‥。 さて、『沈黙のファイル~「瀬島 龍三」とは何だったのか』(共同通信社社会部編:新潮文庫)を読了しました。ただ読了後も、副題の「瀬島龍三と…
町立図書館で雑誌「プレジデント」(8月30日号)を閲覧しました。巻頭の「言行録」に目を通し、気に入った言葉のなかから本文を読んでみました。ちなみに今回の特集記事は、「どんどん本が読めるようになる」でした。 『読書は本質的に「対話」です。文を…
古書店で手に入れた『マチネの終わりに』(平野啓一郎著:毎日新聞出版)を読了しました。強く印象に残った記述や会話のうちの「三つ」を、次のとおり書き残しておこうと思います。 『なるほど、恋の効能は、人を謙虚にさせることだった。 年齢とともに人が…
町立図書館で借りてきた『昭和史への一証言』(松本重治著、聞き手・國広正雄:毎日新聞社)を読了しました。町立図書館の「歴史コーナー」の書架をぼんやりと眺めていた時、一冊の本の背表紙に著者の名前を偶然に見つけ、その名前に確かな記憶があったこと…
厳しい暑さは日没後も衰えることなく、寝苦しい夜が続いています。不甲斐ない打線で「勝てない阪神タイガース」に対する苛立たしさが、それに拍車をかけているみたいです。現に昨日は敗戦のショックで、この日記を書く気力さえ失せてしまいました‥。 さて、…
『69 sixty nine』(村上龍著:集英社文庫)を読了しました。学生運動を描いた作品だと聞いていたので、シリアスな内容を想像していましたが、予想に反して、コミカルというか、実に愉快な物語でした。 本書に描かれている出来事は、著者の実体験に基づいた…
町立図書館で借りてきた『銃を持つ民主主義』(松尾文夫著:小学館)を読了しました。本書の要点は、次の記述に集約されていると思うので、長くなりますが引用させていただき、この日記に書き残しておこうと思います。 『‥‥権利章典第七項とは、第二章「武力…
ずっと曇りか雨かのぐずついたお天気が続いています。そろそろ陽光が恋しくなってきました。 さて、『わが解体』(高橋和巳著:河出文庫)を読了しました。立て看板がキャンパス内に乱立し、学園紛争の余韻が色濃く残っていた大学生の頃、「高橋和巳」や「柴…
午前中から本降りの雨が降り続いています‥。 さて、古書店でたまたま見つけた『絶望の国の幸福な若者たち』(古市憲寿著:講談社)を読了しました。説得力のある、なかなかの力作でした。印象に残った「短いセンテンス」をいくつか、次のとおり書き残してお…
大地を強く打つ、深夜の雨が止んだ後には、夏の強い日差しが待ち受けていました。今回のまとまった雨で、この夏の渇水の心配をしなくてよさそうです‥。 さて、この歳になってようやく『破戒』(島崎藤村著:新潮文庫)を読了しました。今受講している放送大…
ふとしたきっかけで、『フェルマーの最終定理』(サイモン・シン著、青木薫訳:新潮文庫)をものすごくゆっくりとしたペースで読了しました。フェルマーの最終定理とは、3 以上の自然数 n について、「x^n + y^n = z^n となる自然数の組 (x, y, z) は存在…
『大義の末』(城山三郎著)を読了しました。 町立図書館で借りてきた『城山三郎全集第八巻』(新潮社)に収録されている作品の一つです。この作品は、杉本五郎・陸軍中佐の遺著「大義」の思想に影響を受けた主人公・柿見が、敗戦に伴う価値観の転換や周囲の…
町立図書館で借りてきた『プリズンの満月』(吉村昭著:新潮社)を読了しました。NHK映像の世紀バタフライエフェクト「映像記録 東京裁判」を視聴して、『落日燃ゆ』を再読しようとしましたが、順番を変えて、まずは本書から読むことにしました。 著者は…
昨日の強風がシマトネリコの古い葉を吹き飛ばしてくれたせいか、落ち葉がめっきり少なくなりました。ようやく毎朝毎晩の落ち葉掃除から解放されそうです‥。 さて、『カナダの教訓 超大国に屈しない外交』(孫崎享著:PHP文庫)を読了しました。著者の本を…
『空白を満たしなさい』(平野啓一郎著:講談社)を読了しました。3年前に自殺したサラーリマンの主人公が復生するという俄かに信じがたい場面からストーリーが始まるので、一歩引いた心理状態で読み始めました。 ところが、読み進めていくとこれがなかなか…
今日は、二十四節気の「立夏」です。暦どおりに、夏の到来を告げるような暑い一日となりました さて、『大衆の反逆』(オルテガ・イ・ガセット著、神吉敬三訳:ちくま学芸文書)を読了しました。ひとえに私の理解不足なのですが、冗長で刺激がなく感じられ、…
よく晴れて気温も上昇し、汗ばむ陽気となりました。最近は午後5時を過ぎても陽がさんさんと降り注いでいます‥。 さて、今日の日経新聞電子版に、リーダーの読書遍歴を紹介するコラム「リーダーの本棚」を、まとめ読みする記事(9本)が掲載されていました…