しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

読書・文学

敵を知らず、己を知らず、大敵を侮る

長い日数をかけて、ようやく『ノモンハンの夏』(半藤一利著:文春文庫)を読了しました。本書の中では、著者が「あとがき」で書かれていた、次の記述が強く印象に残りました。 『‥‥それにしても、日本陸軍の事件への対応は愚劣かつ無責任というほかない。 手…

心の琴線に触れる詩との出合い

「こよみのページ」のHP、「今日は何の日?」を閲覧すると、今日は「犀星忌」とのことで、次のような解説がありました。 『小説家・詩人の室生犀星の1962(昭和37)年の忌日。 「愛の詩集」「幼年時代」「あにいもうと」「杏つ子」等の作品を残しまし…

死者たちと共に生きる

お彼岸を前にして、今日は午前中に実家のお墓掃除に行ってきました。私以外にも数組の人が来られていて、箒で枯葉を拾ったり、シキビを供えていました。 さて、NHKテキストの100分de名著『災害を考える』を読了しました。執筆者は、批評家で東京工業…

偶然に出合った本

こたつのヒーターが今日、突然、故障しました。こたつに入り寝転んで、本を読んだり、昼寝をするのが、私の至福の時なのに‥‥。これから春を迎えるとはいえ、まだしばらくは寒い日もあるかもしれないこの時期に、寒がりの私には、こたつは生活必需品です。さ…

貴重な読書の時間

昨日、3月1日付けの溜池通信「かんべえの不規則発言」で、「かんべえ」さんが、「在宅勤務で通勤がないと、本や雑誌に目を通す時間が足りない」という趣旨のことを書かれていました。 はぃ‥、確かに言われてみれば、私も仕事が休みの日の方が、かえって読…

「問い続けること」の難しさを学ぶ

NHKテキスト100分de名著『黒い皮膚・白い仮面~フランツ・ファノン』を読了しました。 テキストの文章は分かりやすく書かれているのに、その内容がほとんど理解できなかった理由が、テキストの最後に書かれた、小野正嗣・早稲田大学教授の、次の文章…

昔の人は偉かった‥

先日読了した『現代語訳 論語と算盤』(渋沢栄一著、守屋淳訳)から、印象に残った記述を、いくつか書き残しておこうと思います。 ・欧米諸国の、日々進歩する新しいものを研究するのも必要であるが、東洋古来の古いもののなかにも、 捨てがたいものがあること…

「進歩」や「発展」を問い直す

日経新聞一面コラム「春秋」によると、今日は民俗学者・宮本常一の没後40年の忌日とのことで、次のようなことが書かれていました。その全文を引用させていただきます。 『2月から放送が始まるNHKの大河ドラマは、明治期の実業家、渋沢栄一の生涯を描く。 …

コロナ危機と「集権化と分権化」を考える

『コロナ危機の政治~安倍政権VS.知事』(竹中治堅著:中公新書)を読了しました。 本書の目的は、「安倍政権と地方公共団体が新型コロナウイルス感染症の拡大によって起きた危機に対応する政治過程を分析すること」で、その対象とする時期は、「中国武漢市…

想像力と創造力を取り戻す

NHKテキストの100分de名著「資本論~カール・マルクス」を読了しました。テキストの執筆者は、経済思想家で大阪市立大学准教授の斎藤幸平さんです。 いゃあ~、それはもう、実に「知的刺激に溢れる」内容で、価値の転換を迫るような本でした。学生の…

「本質」を見続ける

『経済学の思考法~稀少性の経済から過剰性の経済へ』(佐伯啓思著:講談社学術文庫)を読了しました。 昭和30年に生まれてから、昭和49年に高校を卒業するまで、「高度経済成長」という「奇跡の時代」の恩恵を、どっぷりと受けて私は生きてきました。本…

「奇跡の時代」に育った主人公と私‥‥

年末年始の休暇中に、『おもかげ』(浅田次郎著:講談社文庫)を読了しました。 定年の日の帰りに地下鉄で倒れた小説の主人公は、昭和26年生まれの65歳‥‥。今年3月に2度目の退職を迎える私は、昭和30年生まれの65歳‥‥。なんだか自分のことのように…

「読む」読者を、変える力を持つ文章

『「読む」って、どんなこと?』(高橋源一郎著:NHK出版)を読了しました。 今月7日の朝日新聞一面コラム「折々のことば」で、鷲田清一さんが、この本のなかの、『問題山積みの文章だけが、「危険!近づくな!」と標識が出ているような文章だけが‥‥わた…

「自律的な読書環境」を保つには

昨日、そして今日と、一気に真冬のような天気となりました。郷土の偉人・秋山真之ではありませんが、「あまりの寒さにチンコちぢまる」の心境です‥‥。 さて、朝日新聞デジタル版の有料会員(シンプルコース)になったことで、これまで読むことができなかった…

「改革至上主義」を考える

『竹中平蔵 市場と権力~「改革」に憑かれた経済学者の肖像』(佐々木実著:講談社文庫)を読了しました。 作家で数学者の藤原正彦さんが、「文藝春秋12月号」の「亡国の改革至上主義」で、この本を取り上げられていたのが購入の動機ですが、大宅壮一ノン…

「勇気と決断」が必要に

仕事がお休みの今日は、午前9時前にデイサービスに通う父を見送った後、午前中は泌尿器科の病院に、午後は耳鼻咽喉科の病院に行ってきました。二つの病院を受診すると、診察費とお薬代で1万円近くかかってしまいます。(トホホ) ところで、今日の報道によ…

根底まで考えろ

仕事がお休みの今日、インフルエンザの予防接種を受けに、かかりつけ医に行ってきました。平日にもかかわらず、私と同じ目的で来院した人たちが、待合室にたくさんいらっしゃいました。 さて、NHKプラスで、NHKスペシャル「「三島由紀夫~50年目の青…

真っ先に向かうべきなのは作品

今日11月25日は、「憂国忌」です。「こよみのページ」のHPには、「1970年(昭和45年)のこの日、市ヶ谷の自衛隊に楯の会メンバーと乱入、クーデターを呼びかけ、割腹自殺した作家の三島由紀夫の命日」との解説がありました。 昭和45年、私は中学…

心をひとり さとり得し時

『何のために本を読むのか~新しい時代に自分と世界をとらえ直すヒント』(齊藤孝著:青春出版社)を読了しました。 「‥‥私が自信を持って全力でお勧めする本を題材に、 変化の時代に必要な教養が自然と身につくきっかけとなるように読み解いたのが、この本…

「積読本」がまた一冊?

一昨日7日の日経新聞「ベストセラーの裏側」で、『独学大全』(読書猿著:プレジデント社)という本が、次のような内容で紹介されていました。 『中学・高校の主要教科から大学の専門科目まで、 「学び直し」の技法をこと細かに伝授する本が登場した。 9月…

昭和51年の光景‥‥

『マークスの山(上)(下)』(高村薫著:講談社文庫)を読了しました。高村薫さんの著作を読んだのは、この推理小説が初めてでした。 物語も終末を迎えるころになって、ようやく「マークス」〈MARKS〉の意味するところが分かりました。一方、最後まで…

愚かな指導者の記憶

『東條英機~「独裁者」を演じた男』(一ノ瀬俊也著:文春新書)を読了しました。中学、高校の歴史教科書で習った歴史史観を、ほぼ90度近く転換させるような内容でした。 著者は、本書の「おわりに」で、次のようなことを書かれていました。『航空戦の「総…

現代を読む教科書

2011年にスタートしたNHKEテレ「100分de名著」が、本年8月放送のミヒャエル・エンデ「モモ」で、記念すべき100シリーズ目を迎えたことを受けて、歴代もっとも長く司会を務めた伊集院光さんと同じく歴代もっとも長くプロデューサーを務めた…

いったい、なぜ‥‥?

今日の日経新聞文化欄「うたこごろは科学する」に掲載された、歌人で情報科学者、坂井修一さんの執筆による、「カミュから遠く離れて」というタイトルの記事に目が留まりました。 『コロナ禍の中、カミュの「ペスト」が読まれているという。 トランプが大統…

自由律俳人の魅力を知る

今日11日は、松山市で晩年を過ごした漂泊の俳人、種田山頭火の没後80年の命日。愛媛新聞には、1ページ全面の特集記事が掲載されていました。記事には、NPO法人「まつやま山頭火倶楽部」太田事務局長さんの「今、お薦めの3句」とその解説が掲載され…

素晴らしさは何も変わらない‥

昨日、苦労してようやく炬燵を出した途端、今日は一転、夏に戻ったような暑さとなりました。(トホホ)台風14号がもたらした暑さなのでしょうね、きっと‥‥。 さて、今日の日経新聞一面コラム「春秋」に、次のようなことが書かれていました。『日本の家庭や…

再読して再認識したこと

『ノルウェイの森㊤㊦』(村上春樹著:講談社文庫)を何十年かぶりに再読しました。先月18日の日経新聞一面コラム「春秋」に、村上春樹さんのことが書かれていたのが、その動機です。再読して再認識したことがいくつかありました。 その一つは、1960代後…

文学の持つ喚起力

NHKテキストの100分de名著「ペストの記憶~デフォー」(武田将明著)を読了しました。「ペストの記憶」は、「ロビンソン・クルーソー」などの名著の作者として知られる18世紀イギリスの作家、ダニエル・デフォーが、ロンドンの人口の2割が死亡した…

最も忘れ難い本

今日の日経新聞一面コラム「春秋」を読んで、かつて読んだ、懐かしい本のことを思い出しました。 『‥‥過激派の「中核派」の最高指導者、清水丈夫議長が約半世紀ぶりに、 その姿を当局に確認されたという。 数々のテロ、ゲリラといった非公然活動にかかわって…

歴史から教訓を導く

太陽はまだまだギラギラと輝いているけれど、肌に感じる風は随分と涼しくなりました。さて、『昭和16年夏の敗戦〈新版〉』(猪瀬直樹著:中公文庫)を読了しました。 『12月中旬、奇襲作戦を敢行し、成功しても緒戦の勝利は見込まれるが、 しかし、物量に…