陽射しは届いたものの、吹く風が冷たい一日でした‥。
さて、古本店で安く手に入れた『昭和という国家』(司馬遼太郎著:NHK出版)を読了しました。
本書には随所に、次のような「司馬史観」「司馬語録」がありました。
・どうも日本は非常に秘密主義の国でした。特に昭和初期の日本というものは、本当に秘密主義でした。
・言語には正直さが必要です。言語をどううまく使えばいいのですかと問われたら、
私は正直ということだけが肝心だと言いますね。
・私は昭和のある時期から昭和20年の敗戦までを、魔法の森の時代と、たびたび申し上げてきました。
・粛然とした自己意識、これだけが国家を運営する唯一の良心であり、唯一の精神なのです。
・日本の軍部は独裁的になっていきました。しかし、独裁者を出さない国であり、独裁者なき独裁でした。
・歴史というものはただ繰り返すことはないものです。つねにある条件があって成立します。
昨今の「自民党派閥の政治資金問題」の報道などに接すると、
この国の政治家の先生方は、はたして「粛然とした自己意識」をお持ちなのか、
はなはだ心もとないものがあります‥。そんなことを思いながら本書を読み進めた次第です‥‥。