遅まきながら、『戦後史の正体(1945-2012)』(孫崎享著:創元社)を読了しました。
本書は、戦後日本の外交史を、「自主」路線と「対米追従」路線という観点から分析したものです。
著者は、「自主」と「対米追従」の差は、次の点にあると述べられています。
①つねに米国との関係を良好にすることをめざすか
②少々米国との間に波風を立てても、日本の国益上守るべきものがあるときや、
米国の言いなりになると国益上マイナスになるときは、はっきりと主張するか
そして、戦後の首相をこの観点から分類すると、
「自主派」としては、石橋湛山、岸信介、佐藤栄作、田中角栄、福田赳夫、鳩山由紀夫などが、
「対米追従派」としては、吉田茂、池田勇人、中曽根康弘、小泉純一郎などが、
さらに、「一部抵抗派」としては、竹下登、橋本龍太郎、福田康夫などが挙げられていました。
「自主」路線を支持する著者は、「自主派」に甘く「対米追従派」に厳しい論調のように感じましたが、
冷戦終結後の米国の次のような「認識」が、もはや通用しない昨今の世界情勢を鑑みると、
著者の分析は妙に説得力が増しているようにも感じました。
「自分たちこそが世界のリーダーであり、必要に応じて軍事力を利用しつつ米国の価値観を実現することが、
世界に貢献する道だという認識」
なお、本書の巻末には、資料として「ポツダム宣言」と「降伏文書」が添付されています。
この文書をこれまで一度も読んだことがなかったこともさることながら、
本書を読むまで知らなかった歴史上の事実をはじめとしして、
日本の近現代史を真面目に勉強していなかったことを、今は深く反省しているところです‥‥。
追記
午後7時30分頃、雷の音とともに、強い雨が降り始めました。
それはまるで、「ふきのとう」の「春雷」の世界です‥。
♬ 春の雷に 白い花が散り 桜花吹雪 風に消えてゆく
こちらはまだ桜が蕾のままで良かったです‥‥。