『日本人のための第一次世界大戦史』(板谷敏彦著:角川ソフィア文庫)を読了しました。
『もういちど読む山川日本近代史』において、
「第一次世界大戦と日本」について割かれているページは16ページですが、
本書は全部で約500ページ近くのボリュームになっています。
それもそのはず、本書は、政治・経済・軍事・金融・メディア・テクノロジーなどの
幅広い観点から、戦争の背景やその影響などについて、詳細に書かれているのです。
ですから、読み応えがありましたし、「鉄道」や「電信」などが戦争において果たした役割など、
これまで知らなかった事実も知ることができました。理屈抜きでとても勉強になりました。
なお、著者は、「文庫版あとがき」において、
今、「われわれは間違いなく歴史上の転換点にいるといえる」としたうえで、次のように述べられています。
『では、今回から一つ前の大きな転換点とは何時だたのでしようか?
それは第一次世界大戦ではないかと考えます。
戦争やパンデミックでは株価が下がらないところも似ています。‥‥
‥‥歴史はまったく同じように繰り返すことはありませんが、過去の事象ひとつひとつの知見は、
きっと現在進行している物事の本質を理解する助けになると思います。』
著者のお言葉のとおり、「物事の本質を理解することの大切さ」を学べたように思います。
一読をお薦めしたい一冊です。