『悲しみの秘儀』(若松英輔著:文春文庫)を読了しました。
言葉の一つひとつに重みがある、とても素晴らしい本でした。
現役で働いている皆さんには、次の二つがお薦めの記述です。
『仕事は人生の一部である。現代は、この素朴な事実をもう一度思い出さなくてはならない。
人生においては、何を成し遂げたが問われる以前に、どう歩いたかが問われる。
また、仕事には、金銭を手に入れる手段とするに終わらない何かが潜んでいる。
むしろ、その何かが「仕事」なのである。(「書けない履歴書」から。)』
『世にいう師とは、どう生きるのかを教えてくれる存在であるかもしれないが、私の師は違った。
彼が教えてくれたのは、生きるとは何かということだった。
人生の道をどう歩くかのかではなく、歩くとはどういう営みであるかを教えてくれた。
(「師について」から。)』
『見失いがちな「人生を俯瞰する視点」を宝石のような言葉が思い出させてくれる』と述べられるとともに、
著書のことを「引用の達人」と評価されていました。
機会があれば、本書で引用された書籍もぜひ読んでみたいと思います‥‥。