しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

待つこと、そして希望すること。

今日は、一年で最も昼が短いとされる二十四節気の「冬至」です。

暖房がないと部屋の中は、まるで冷蔵庫に入っているような冷たさですが、

この日を境として新しい四季の巡りが始まると思うと、少しは前向きな気持ちになります‥。


さて、今から約10年前の2013年2月に、

NHK「100分de名著」の「モンテ・クリスト伯」(アレクサンドル・デュマ作)を視聴し、

同時にテレビテキストを読み終えてから、ずっと原作を読みたいと思っていたところ、

このほどようやく全7巻を読み終えることができました。


本書でもっとも印象に残る言葉は、やはりデュマが導き出した「人生に対する答え」ともいうべき

エンディングに登場する次の記述ではないでしょうか。

『マクシミリヤンさん、わたしはあなたに、わたしのあなたへの行動の真諦をお知らせしましょう。

 それは、この世には、幸福もあり不幸もあり、ただ在るものは、

 一つの状態と他の状態との比較に過ぎないということなのです。

 きわめて大きな不幸を経験したもののみ、きわめて大きな幸福を感じることができるのです。

 マクシミリアンさん、生きることのいかに楽しいかを知るためには、一度死を思ってみることが必要です。

 では、なつかしいお二人方、どうか幸福にお暮しください。

 そして、主が、人間に将来のことまでわかるようにさせてくださるであろうその日まで、

 人間の慧智(けいち)はすべて次の言葉に尽きることをお忘れにならずに。待て、しかして希望せよ!


「待つこと、そして希望すること。」は、もうこの歳になると、

その意味するところ、その重みが理解できます。

そしてこの言葉は、モンテーニュの「あなたは生きてきたではないか」とともに、

私の「座右の銘」になりました。

なお、全7巻には、人生についての短い箴言が随所に散りばめられています。

それも抜き出して、この日記に書き残しておこうと思っています‥‥。