福田恆存『私の幸福論』(福田恆存著:ちくま文庫)を読了しました。
本書前半の「自由について」「青春について」「教養について」などには、
印象に残る記述がいくつもありましたが、後半の「性について」「恋愛について」「結婚について」など、
男女関係についての記述は、なぜか私の心には響きませんでした。
以下、印象に残った記述を書き残しておきます。
・自由とは、責任のことであり、重荷であります。
自由であるためには、私たちの精神はたえず緊張していなければなりません。
・自由とは、なにかをなしたい要求、なにかをなしうる能力、なにかをなさなねばならなぬ責任、
この三つのものに支えられております。
・もし青春ということばに真の意味を考えるなら、それは信頼を失わぬ力だといえないでしょうか。
不信の念、ひがみ、それこそ年老いて、可能性を失ったひとたちのものです。
たとえ年をとっても、信頼という柔軟な感覚さえ生きていれば、その人は若いのです。
・日常でないものにぶつかったとき、即座に応用がきくということ、それが教養というものです。
・本を読むことは、本と、またその著者と対話することです。
本は、問うたり、答えたりしながら読まなければなりません。
要するに、読書は、精神上の力くらべであります。
そして、本書の結論というべきは、「あとがき」での、次の記述のような気がします。
・一人でもいい、他人を幸福にしえない人間が、自分を幸福にしうるはずがない。
・究極において、人は孤独です。愛を口にし、ヒューマニズムを唱えても、
誰かが自分に最後までつきあってくれるなどと思ってはなりません。
じつは、そういう孤独を見きわめた人だけが、
愛したり愛されたりする資格を身につけたのだといえましょう。
著者との対話があまりできなかった、反省ばかりの一冊となりました‥‥。
追記
書くのを忘れていましたが、昨日NHKで放映された
『サザンオールスターズ45周年特別企画「シン・日本の夏ライブSP!!」』は、
感動的な番組でした。私的には「真夏の果実」が最高でした。再放送を期待しています‥‥。