古本屋で安く手に入れた新品同様の『三千円の使い方』(原田ひ香著:中公文庫)を読了しました。
お金のことを真正面に取り扱った本を初めて読みましたが、
なかなか面白くて、しかも示唆に富んだり、参考になったりする記述もありました。
本書後半の奨学金の返済に関する記述については、
私も結婚後、長く薄給の中から返済したので、細君に苦しい家計のやりくりを強いました。
本書を読んで当時のことを思い出し、同時に、結婚前に申告しなかった自分を深く反省した次第です‥‥。
また、本書の中では次の二つの記述(セリフ)が印象に残りましたし、とりわけ家計簿の話は、
亡き母が毎日、丁寧に家計簿と付随する日記をつけていたことを思い出しました。
『あの世に持って行けないから使いましょう、というのと、お金がどれだけあっても不安だから節約しなきゃ、
という相反した言葉が、同じ口から出てくるというのが老人というものだ。』
『こんなことを言うのは大げさかもしれないけれど、あの混乱時期に、家計簿をつけようとした主婦、
つまり、それができるだけの教養と意思があった主婦が戦後日本の復興を支えたのではないかと思うのよ。
もちろん、日本の復興には様々な要因があると、一般的には言われている。
だけど、私は勝手にそんなふうに思っているの』(琴子のセリフ)