しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

「来世的生命主義」を学ぶ

『悪と往生~親鸞を裏切る「歎異抄」』(山折哲雄著:中央文庫)を読了しました。


親鸞を裏切る「歎異抄」、という本のタイトルに惹かれて購読しました。

本書のなかでは、「往生」と「還相(げんそう)」に関する記述が特に印象に残りました。

「往生」というのは、この世から浄土に赴くこと。

親鸞のいう「還相」は、浄土に往生した真の念仏者が、その浄土からふたたびこの世に帰還して、

阿弥陀如来の救済の事業に参加すること。


ところが著者の山折先生によると、唯円歎異抄第15条において「往生」のテーマのみをとりあげ、

「還相」を視野の外においただけでなく、歎異抄というテキストの全体からも、

「還相」に関する議論と問題意識を一切排除している、とのことでした。


う~む‥‥。さすがに歎異抄は奥が深い。

今の私はどんどん、歎異抄の深みに入っていきそうです‥‥。



追記

これまでに読んだ「親鸞」と「歎異抄」に関する本を、備忘録としてこの日記に書き残しておきます。

・私訳「歎異抄」(五木寛之著:PHP文庫)

・「親鸞(全6巻)」(五木寛之著:講談社

・「梅原猛歎異抄入門」(梅原猛著:PHP新書)

・100分de名著「歎異抄」(釈徹宗著:NHK出版)