『悪と往生~親鸞を裏切る「歎異抄」』(山折哲雄著:中央文庫)を読了しました。
親鸞を裏切る「歎異抄」、という本のタイトルに惹かれて購読しました。
本書のなかでは、「往生」と「還相(げんそう)」に関する記述が特に印象に残りました。
「往生」というのは、この世から浄土に赴くこと。
親鸞のいう「還相」は、浄土に往生した真の念仏者が、その浄土からふたたびこの世に帰還して、
阿弥陀如来の救済の事業に参加すること。
ところが著者の山折先生によると、唯円は歎異抄第15条において「往生」のテーマのみをとりあげ、
「還相」を視野の外においただけでなく、歎異抄というテキストの全体からも、
「還相」に関する議論と問題意識を一切排除している、とのことでした。
う~む‥‥。さすがに歎異抄は奥が深い。
今の私はどんどん、歎異抄の深みに入っていきそうです‥‥。
追記