最近の金融経済情勢など難しい話題を、
季節感など身近な話題に置き換えて文章化し、
一般の人に分かりやすく説明できる、
そんなテクニックに優れている人をとても羨ましく思います。
例えば、昨日9日の日経新聞「春秋」には次のような文書がありました。
『先月末、日銀が2%の物価安定の目標に向けて導入したマイナス金利は、
株や為替への影響を見るなら、はや、賞味期限が切れたかのようだ。
今の季節でいえば、暖炉に次々まきをくべているのに、
建物の隙間からふき込む節約志向や
原油安さらには中国経済の失速などの寒風で部屋が一向に暖まらない、
といった感じか。』
また、同じく日経新聞の「経営者ブログ」では、
鈴木幸一さんが次のようなことを書かれていました。
『季節の移り変わりのように、いつか、冷たい寒波が去って、梅がほころび、
確実に早春のやさしい風が肌を包むようになり、桜が咲くような予測を、
経済について語る人は、まずいない。
「世界デフレ」という凍てつく寒波への恐ればかりが膨らんでしまうのである。』
「建物の隙間からふき込む節約志向」、「中国経済の失速などの寒風」、
「世界デフレという凍てつく寒波」……。
遠のく物価安定目標、荒れる株式市場など、最近の金融経済情勢は、
冬景色そのもので、鈴木会長は、
『春がくる歓びとは、まったく逆の現象で、世界中を不安感で包んでいる。』と、
先ほどのブログで述べられていました。
「ほころぶ梅のような〇〇」、「早春のやさしい風のような〇〇」、
「桜が咲くような〇〇」……。
日本経済が、この「〇〇」のなかに入るようになればいいのに……。