今日16日の日経新聞電子版を読んでいて、気になる記事が二つありました。
いずれも「組織」や「仕事」に関するものです。
まず、一つ目です。
鈴木幸一IIJ会長の「経営者ブログ」に次のような文章がありました。
『優良会社とされていた超大企業を襲っている、
極めて深刻で困難な状況についても、そのほとんどが、
ある日、突然、生じた問題ではない。
企業規模からして、問題が小さいというか、なんとか切り抜けられるだろうという
希望的な観測に基づいた判断がある間は、なかなか動けないのだろう。
問題や課題への抜本的な対応を怠ったというか、
対応の遅れが、事態をより難しい状況にしてしまうのだろう。
問題の所在を把握しながら、
ことが収束できないほどに危機的な状況に追い込まれるまで、
正面から問題に対処しないことによって、深刻な事態を招いてしまうのである。』
文章に登場する「超大企業」とは、
おそらく東芝やシャープのことを指すのでしょうが、
山一証券の経営破たんにもピッタリと当てはまります。
二つ目は、「キャリアアップ」欄に掲載されていた
『指示が的確に伝わる論理的思考法』という記事です。
部下に的確な仕事をしてもらうための留意点として、
「進行確認」の「7・3・1の法則」が書かれていました。
経営コンサルティング世界大手、
ボストン・コンサルティング・グループのプリンシパルのお話しとして、
「7・3・1の法則」とは、
仕事の達成度が7割、3割、1割の時に進行状況を確認し擦り合わせることで、
特に気をつけるべきは「3」だそうです。
「達成度3割の時点とは、
仕事を果たすための計画は立てられたが、実行される前の段階、
7割はいったんその計画が実行された状態」という解説に続いて、
次のような示唆に富む文章がありました。
『7割の時点で上司に報告する人は多いが、
それだとやり直しなどの負担が大きくなり、生産性も落ちる。
進行度1割(仕事の内容を説明した段階)の時点で、
3割の段階になったら報告するよう、
またそれが部下にもメリットがあると伝えておくのがコツ。
自分から報告してこない部下には自ら聞きに行き、
それを嫌がられない関係を築いておくのが望ましい。』
先ほどの鈴木幸一IIJ会長は、
『言うは易くだが、あらゆる経営者や当事者に、
「あとのまつり」といった言葉はないのである。
まして、日本経済のかじ取りをする方々の責任は重い。』と述べられていました。
私も、これまでの公務員生活で、上司への相談や報告が遅れたりして、
「あとのまつり」になりかけた経験が幾度かありました。
大きな組織の危機管理から小さな仕事の進め方まで、
組織のなかで生きていくサラリーマンや公務員にとって、
とても役に立つ、今日の二つの記事だったと思います。