2月5日(日)の日経新聞「地球回覧」は、「技術先進国ドイツの焦燥」でした。
ドイツの教育現場では、
「公立校の先生はやる気がみえない」といった公立教育への不安を背景に、
私立ブームが起きているのだそうです。
記事の一部を抜粋して紹介します。
『〜(中略)〜引き金を引いたのが2000年の「ピサ・ショック」だ。
OECDが世界の15歳を対象に実施した国際学生試験ブログラム(PISA)のテストで、
ドイツは得意だったはずの数学でOECDの平均点を下回った。
教育制度への不安を吸い上げたのが補習塾で、新たに年15億ユーロの市場が誕生した。
「従来の教育システムで十分な学力が身についているのか」。
ピサ・ショツク世代が就業年齢を迎えた今、こんな疑問が産業界で強まっている。』
記事を読んで初めて知ったのですが、
「ドイツでは教育制度は各州政府の所管で、
連邦政府の介入を嫌がる地方分権の現行制度は、
国民の思想を統一しようとしたナチス・ドイツ時代の反省から取り入れられた」
という歴史があるそうです。
この点は、学習指導要領に基づいた
全国共通の義務教育が行われている日本とは違うのかもしれません。
ところが、今では州ごとに学力格差拡大や学校制度の乱立など負の側面が顕在化し、
生徒の学力水準が低いなどの問題校は全体の2割に達するそうです。
「今後はドイツでも少子高齢化が進み、若手技術者の確保が困難となるため、
企業は高齢者の活用や女性技術者の育成も検討している。」
という解説記事を読むと、まるでどこかの国?と同じ状況ではないかと思いました。
自分の子どもの教育について振り返ると、
娘は幼稚園から高校まで公立で教育を受け、大学だけ私立に通いました。
私に公立・私立といった教育についての確たる哲学があったわけではなく、
ただ単に金銭的な理由が大きかったと思います。
ところで、「日本を滅ぼす教育論議」の著者、岡本薫氏は次のとおり述べられています。
『教育の分野について言えば、日本ではあまり知られていないが、
先進諸国の教育専門家の間では、
「学校教育の質を決定づける三要素」というのが、国際的な常識となっている。
この三要素とは、
①カリキュラムの質、②教員の質、③スクール・マネジメントの質である。』
この三要素が確立していれば、公立教育でもなんら問題はないのでは‥と思った次第です。