昨日の続きです。
「茜色の空 哲人政治家・大平正芳の生涯」(辻井 喬著:文春文庫)には、
名言名句が盛りだくさんでした。
以下、この日記をメモ代わりにして、残しておきたいと思います。
・責任がある立場というのは危険がいくら追い払っても
去っていかない立場のことではないか。(P58)
・人間の世界の争いも国家間の戦いも、俯瞰すればいずれも一時の事にすぎない。(P59)
・行政には楕円形のように二つの中心があって、
その二つの中心が均衡を保ちながら緊張した関係にある場合、
その行政は立派といえる。(P68)
・人生にはいくつものルビコン河がある。
そこには大きい橋が必要な場合もあれば小さい橋で間に合う場合もある。(P72)
・日本人は従順で最後まで我慢する。
それだけに、一度見限られたら、その信用はちょっとやそっとでは
取り戻すことができないに違いない。(P124)
・議論に勝っても、その勝ち方によっては交渉を有利に導くとは限らない。(P131)
・チャンスに後髪はないのだから、訪れた時には正面からその機会を摑め。(P143)
・良くも悪くも、経済というのは無慈悲なものだ。(P161)
・だんだん社会的な立場が固まってくると、
反対側に立つ人の意見や感触が摑めなくなってくる。
それは危険だ、楕円が同心円になってくる。(P179)
・いよいよという時に面子に拘って大義を見失うのが、役人の最大欠陥である。(P227)
・人の一生には悦びもあれば憂いもある。得意の朝もあれば失意に沈む夕もある。
栄光を浴びる場合もあれば辱めに耐えねばならぬ局面もある。(P266)
・自分とは異質の才能と、同じ目的のために腕を組むことこそ、
政治家の真骨頂かもしれない。(P268)
・権力はそれが奉仕する目的に必要な限りその存在が許される。(P277)
・進退は天に問い、栄辱は命に従う(P363)
・経済的に発展しつつある国が、政治的に未熟である場合には、
外交問題についてはことに危険が多い。(P370)
・人間を越えたものの存在(=神)を畏れ、
ひたすらその畏怖の感情に忠実であろうとする“小さきもの”としての自覚があった。(P455)
さて、今日は母の命日です。久しぶりにお墓参りに行ってきました。
早いもので、亡くなってから17年になります。
父と私は日に日に年老いて行くのに、
仏壇の母の遺影は、当たり前ですが、歳をとることがありません。