昨日19日(日)の朝日新聞社説は、
「又吉氏芥川賞〜文学に親しむ入り口に」でした。
そこには、「文学」、「小説」の醍醐味について書かれた、
次のような文章がありました。
『日常に違和感を覚えたり、生きづらさを抱えたりしている人は少なくない。
特に若い世代では、孤独にさいなまれたり、同調圧力の強い人間関係の中で、
周囲に合わせることに疲れたりしている人もいるだろう。
文学は、そうした苦しみを直接解消できるわけではない。
しかし、古今東西の小説には、おびただしい数の先人が向き合ってきた悩み、
悲しみ、喜びなどが詰まっている。
それに触れることで、登場人物への共感を通して自分自身を肯定したり、
困難を乗り越える知恵や勇気を得たりすることはできる。』
また、先般読んだ岩波新書に挟まれていた「しおり」には、
本を読むことの「喜び」について書かれた、次のような文章がありました。
『世界は今、大きな変わり目にあります。
経済的発展やグローバル化と幸福との一致点が、見つけにくくなっています。
情報は氾濫し、世の中も人も翻弄されがちです。
では、どうすればいいのか。正しい答えは、ないかもしれません。
けれど、その「ないかもしれない正解」を問い続ける姿勢が
大切だと私たちは考えます。
問う。すべては、そこからはじまります。
人は、本を読むことで思考を広げられます。
新しい自分や世界に出会う喜びがあります。
そして少し階段をのぼったとき、また新たな問いが生まれる。』
どちらも、名文・名言だと思います。
本を読めることは、とても幸せなことだと思います。