しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

悪印象を断ち切るには

現在の日中関係を考えるうえで、
今月16日付けの「溜池通信」の特集記事は、大変参考になりました。

特に参考になったのは、
日中関係は本当に「政冷経冷」になったのか』についての次の記述です。
以下、メモにして残しておきます。

『 〜(略)〜 今では、中国から日本へ輸出される第2位の品目は
 通信機(スマホタブレット端末など)である。
 2013年の通信機輸入は実に2.0兆円に達し、
 5年前に比べてほぼ4倍増の勢いとなっている。
 逆に日本から中国向けに増えているのが科学光学機器で、
 5年前に比べて倍増の8000億円となっている。
 おそらくかなりの部分が、スマホなどの材料となっているのであろう。
 つまり日中間の貿易には、見えにくい形でWin-Win関係が構築されていることになる。』

かんべえさんは、このように述べられた後で、
中国経済の位置づけが「生産拠点から市場へ」と変化している、と指摘されています。

なるほど…。経済関係では、切っても切れない関係になっているのですね。
でも、日中両国の国民は、こうした事実関係を正しく認識しているのかな?

続いて、かんべえさんは、
日中関係改善への具体策を5つ、紹介されていますが、
その中に「二分法の再確認」という聞き慣れない言葉がありました。

「二分法」とは、かつて毛沢東時代に
「少数の軍国主義者と大多数の日本人民を厳格に区別せよ」とした対日政策のことで、
 中国では、このことが「戦争賠償放棄」の根拠となっているし、
 「日本の首相が靖国神社に参拝されると困る」ことの理由となっているそうです。
 ところが最近では、中国国内でもこの二分法が機能しなくなっているとか…。

さらに、村上春樹作品はともかく、渡辺淳一作品が中国で人気があり、
日中間の文化的な交流もかつての比ではなく広く深くなっているという話までを聞くと、
なにがなんだか、私には訳が分からなくなってしまいます。

「お互いの印象が悪い」という、両国国民の半ば生理的な嫌悪感は、
なかなか解消するのは難しいと、私には思われるのです。