一昨日8日の、緊急事態宣言下で酒類の提供をやめない飲食店に対する西村康稔経済財政・再生相の
「要請に応じない店の情報を金融機関と共有する」「金融機関からも順守の働きかけをしてほしい」
といった発言が波紋を広げ、最終的には発言の撤回を余儀なくされました。
う~む‥‥。
要請を順守するお店と、そうでないお店との「不公平感を解消する」との西村大臣のお気持ちは、
私には多少なりとも理解できますが、正直言って、この手法は「禁じ手」だと思います。
まるで、「特別地方交付税」をちらつかせて、地方自治体に無言の圧力をかけるようなものですよね‥‥。
それよりも、店舗の規模に応じて協力金の差を設けるとか、
要請協力店に出来る限りの優遇措置を適用する、等々の手法は取れないものなのでしょうか‥‥?
そういえば、今日の日経新聞一面コラム「春秋」の冒頭に、次のようなことが書かれていました。
『詩人の谷川俊太郎さんが言葉について書いている。
詩人は自作の正邪真偽を気にとめないが、言語化という作業にはふつう重い責任が伴う。
言葉にするのは「混沌たる現実をどう見、どう切りとり、どうせき止めるか」を
決断する行いであるからだ(「詩を考える」)。‥‥』
西村大臣の発言の件とは、ちょっと趣旨は違うかもしれませんが、
「言葉を扱う恐ろしさ」という意味では、同じではないだろうかと、そんなことを感じた次第です‥‥。