しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

好奇心と危機感

今日の日経新聞一面コラム「春秋」は、眞鍋淑郎さんのノーベル物理学賞受賞を称える内容でした。

永く記憶に残すため、その全文を次のとおり引用させていただきます。


『本格的な秋の到来とともに、ノーベル賞の話題はやってくる。

 連日のニュースを聞いて、ああ、もう10月かと気が急(せ)く人は多いはずだ。

 もっとも、そんな季節なのに近年の気温の高さときたら‥‥。

 きのうの東京も、オフィス街では夏と変わらぬクールビズが目立った。

 地球温暖化がじわじわ進む現実を思わざるを得ない。

 折しも、そのメカニズム解明に寄与した米プリンストン大学上席研究員の真鍋淑郎さんが、

 ドイツ、イタリアの研究者とともに物理学賞に決まった。

 大切なのは「外に出て、気候の変化を肌で感じること」だという。

 偉業の出発点は、われら凡人の肌感覚と同じである。

 違うのは、その先の情熱だ。研究を始めたころ、自身でもその意義を現在ほどには考えていなかったという。

 「原動力のすべては好奇心だった」。記者会見で「好奇心」を何度も口にしたのが印象的だ。

 それは大きな成果を生み、やがて世界を覚醒させた。

 いま、卒寿を迎えた真鍋さんの温暖化への危機感はいよいよ深い。

 10月なのに、なぜこんなに暑い―。人々がこういう感覚を持っているうちに、抜本策を急がねばならない。

 放っておけばノーベル賞の季節はもっと暑くなり、巨大な台風にも頻繁に襲われるだろう。

 肌で変化に気づく力と好奇心と危機感。

 真鍋さんの栄誉を支えたものを、政治や社会が抱きとめてこそ人類の未来がある。』


眞鍋さんは、愛媛県四国中央市新宮町(旧愛媛県宇摩郡新宮村)のご出身です。

50年以上前にアメリカ国籍を取得され、今は日本国籍ではないとはいえ、

私は、郷土が生んだ偉人を、一県民として誇りに思いたい‥‥。

「日本国民として誇りに思います」という岸田総理のツイートが波紋を呼んでいるそうですが、

それが今の私の素直な気持ちです。「郷土が生んだ」という事実には、何ら変わりはありませんから‥‥。