梅雨空が戻ってきました。
時折り、寄せては返す波のように、激しい雨が降る時間帯があります‥。
さて、今日の日経新聞電子版「Deep Insight」に、
「世界を襲う大戦の亡霊~米国のイラン攻撃で中東が乱世に」というタイトルの記事が掲載されていました。
米国のイラン攻撃に関し、「米国の対外戦略と世界の行方に、
中東戦争が計り知れない影響をもたらすことだけは確かである」という記述のあとには、
次のような興味深い記述がありました。
『‥‥中長期でみると、いちばん深刻なのは中国が国際社会にもたらす影響だ。
ロシアの脅威が台風だとすれば、中国は数十年にわたって世界秩序を変質させる「気候変動」である。
中国はロシアに比べれば、無鉄砲な戦争を始める恐れは小さい。
その代わりに世界の安全保障から経済、さらには文明の生態系まで、
中国色に染めていくパワーを持っている。
中国による「気候変動」が進めば、世界の人権や民主主義の養分が細るだろう。
各国の統治や外交だけでなく、生活のありようにも負の変化が及ぶ可能性がある。
それを防ぐには西側諸国が結束し、そろって対中戦略を進めることが何よりも大切だ。
トランプ氏が中東戦争の深みにはまれば、西側の分断が深まり、対中戦略が置き去りになる危険が高い。‥』
なるほど、「台風」のロシアと「気候変動」の中国ですか‥。
中国の影響による「負の変化の可能性」については、十分に起こり得るシナリオだと思います。
そして、この記事の最後には、次のようなことが書かれていました。
『ロシアのウクライナ侵略で戦後の平和は終わり、時代は戦前に入った。
世界はここで踏みとどまり、大戦の亡霊を封じ込めなければならない。』
「戦後の平和は終わり、時代は戦前に入った」という記述に、
先の大戦前夜の雰囲気を知らない戦後生まれの私は、思わず身構えてしまいました‥‥。