今持っている単行本の愛読書では持ち歩きに不便なので、
発刊されたことを知って、迷わず購入し、
現在、自らの思想の熟度を確認しながら、
丹念に読み直しをしているところなのですが、
ちょうど半分くらいのところに差し掛かったところで、
次の文章に出合いました。
『ものごとを「断じる」ということは、そこで判断を打ち切ることでなく、
そのことを他者にも強要することである。批判はもはや許されない。
自らの正しさを自ら宣言して他を排除することである。
そして、私が、「戦後民主主義者」や「進歩知識人」なる者に対する
不信感を払拭できないのは、まさに、自らを「正義」と主張する
この原理主義的なやり方が、民主主義や平和主義の精神と
本質的に相反するからなのである。』
う~む、これってまるで、
昨日のこの日記で紹介した
芹川洋一・日経新聞論説委員長の御指摘と相通じるものがあります。
そしてまさに、佐伯先生が指摘されている「原理主義的なやり方」を
新聞などのメディアが報道によって国民を先導してしまうと、
民主主義や平和主義と相容れない状況に陥るおそれがあるのかもしれません。
ちなみに、放送法では、メディアが政治的に公平であることや、
意見が対立している問題について
できるだけ多くの角度から論点を明らかにすることを求めているそうです。
本書を読みながら、改めて「中正公平」の難しさについて考えた次第です。
全部再読したら、いつものように、
この日記に読書感想文を書くことにします……。