昨日30日、日銀が「マイナス金利政策」を導入したことを
日経新聞電子版の速報で知った時、一瞬ドキリとしました。
金融知識の乏しい私は、銀行の預金金利がマイナスになるのかと思ったのです。
その電子版では、「マイナス金利政策」について、次のような解説がありました。
民間銀行が中央銀行に預け入れる預金の金利をマイナスにするのが一般的。
民間銀行は日銀に資金を預けると、金利を支払う必要が出てくるため、
民間企業の融資や有価証券の購入に資金を振り向ける効果を見込む。
中央銀行が供給した資金を実体経済に回りやすくする狙いがある。』
なるほど、そういうことなのですか…。
欧州ではスイスやデンマークなどの中央銀行が導入しているそうですが、
そんなに効果がある政策なら、どうして日銀は導入しなかったのかな…?
と疑問に思っていたら、どうやらこの政策には「副作用」があるようです。
これまた電子版では、「マイナス金利政策」について、
経済や市場への想定される効果と副作用が簡潔に整理されていて、
読んでいてとても勉強になりました。
まず、その効果については、
・マイナス金利が市中で広がれば、借金する人はもうかるから、
設備投資や住宅購入を促進する効果が考えられる。
・巨額の借金を抱える国の財政も楽になる。個人消費を刺激することも期待される。
・金利差に着目した投機家の円売りが増え、円安を促す効果もある。
逆に、副作用については、
・金利収入を稼ぐのが本業の金融機関の収益を圧迫する。
融資先に金利を払う一方で、
預金金利をそれ以上にマイナスにできなければ逆ザヤとなる。
・投資マネーへの影響も軽視できない。
付利の引き下げは、民間金融機関が国債を売って
その売却代金を中銀に預けるうまみを薄れさせ、
結果的にマネタリーベース(資金供給量)を増やすのを難しくする可能性がある。
・マネタリーベースの減少は、過剰流動性をよりどころに続いた
世界的な金融相場に影響を与える。
・金融理論の根底も揺らぎかねない。アナリストが理論株価を弾こうとした場合、
金利がマイナスでは企業収益が変わらなくても
株価の現在価値は無限大になってしまう。
・マイナス金利は個人金融資産約1700兆円が
投資に向かう契機になる可能性を秘める一方、
市場や経済に混乱を招きかねない劇薬といえる。
う~む、こうやって整理してみると、
効果よりも副作用のほうが多いように感じましたが、
「劇薬」という表現には驚きました。あまり効き目がありすぎても困りますよね。
私にとっては、金融政策を学習するうえでの「生きた教科書」になっています。
さて、今日も夕方から飲み会の予定が入っています。
そろそろ外出の準備をしなければ……。