今日30日の日経新聞、
気になる二つの記述がありました。
まず一つ目です。
『会社勤めの経験がない私は
「自分が会社員ならどういう会社で働きたいか」を想像した。
それは「社員を正しく評価してくれる会社」だ。
企業理念第3条にも「働く社員にとって良い会社」を目指すと明記し、
人事評価に工夫を重ねた。鍵は透明性だ。人事への不満は理由が不明だから生じる。
100%公正な人事は難しいが、全員が納得する人事なら可能だと考えた。』
人事において透明性が鍵なのは、大山社長のおっしゃるとおりなのですが、
「全員が納得する人事」は、ほぼ不可能ではないかと私は思います。
評価する側も評価される側も、所詮は人間がすることなので、
どうしてもバイアスがかかってしまうからです。
次は二つ目です。
『今の当社は3車線道路だ。
年功序列は1車線道路。前の車が遅くても追い抜けないが自分も抜かれない。
役所などは今もこれだ。多くの企業は2車線道路か。
遅い人は登坂車線に入り、普通の車は走行車線を一定の速度で走る。
当社は追い越し車線が加わる。
能力、実力、意欲のある人はどんどん速く走ってもらう。
3車線式がもっとも公正だ。』
これも大山社長のおっしゃるとおりなのですが、
「役所が年功序列の1車線道路」というのは明らかな誤解です。
少なくとも私の今の勤務先は、「能力」と「業績」で多角的に評価され、
課長級以上の抜擢人事などは日常茶飯事になっています。
偉そうなことを書いて申し訳なかったのですが、
大山社長が企業理念に「働く社員にとって良い会社」と明記しているのは、
とても素晴らしいことだと思いました。
民間企業でも官公庁でも、職員を大切にしない組織は、
きっと長続きはしないと思います。
いずれにしても、「組織と人事」のマネジメントは、
働く者とその職場にとって「永遠の課題」ですよね……。