出口治明・ライフネット生命保険会長へのインタービュー記事で、
タイトルは『生保業界のパイオニアに聞く~仕事・人生に必要なこと』でした。
出口会長らしい名言が盛りだくさんの内容でした。
記事の全文を書き残しておきたいぐらいですが、
そういうわけにもいかないので、特に印象に残った名言を
私なりに要約・加工して、この日記にメモしておきます。
・サービス産業が中心となった今は、
頭脳を使う仕事が中心になりましたから、脳に刺激を与えないと、
いい仕事はできません。
脳に刺激を与えるには、「飯、風呂、寝る」という生活から、
「人、本、旅」という暮らしに移行する必要があります。
つまり、たくさんの人に会い、本を読んで、
いろいろなところに行って刺激を受ける。
そうしなければ、生産性は上がりません。これが、働き方改革の基本です。
・(バブルおじさん(注:遅くまで働くことをよしとする方々)たちに
若手はどう対応したらよいかを聞かれて)
バブルおじさんは、バブルの時に長時間頑張って偉くなった人たちですから、
その成功体験が染みついているんです。
成功体験を持っている人にそれを捨てろと言っても、なかなか捨てられない。
ですからバブルおじさんのことなど気にせず、
自ら行動することによって慣行を変えていかないと、社会は変わりません。
今の日本のしんどさの原因は、
「成功が失敗の母」になってしまっているからだと思います。
・(人間にとって最も貴重な資源は時間ということからすると)
会議は一番のムダです。たくさんの人を拘束する会議は、
時間給の総額を考えると、とても高くつきます。
僕はサラリーマン時代から会議が大嫌いでした。
だらだら会議をやって仕事した気になっているバブルおじさんは山ほどいます。
「今日はいい議論をしたなあ」と。
「じゃあ、何が決まったのか」と聞いたら「継続 審議だ」。
全くのムダだと思います。
・(スピードある意思決定をするには)集中力を高めることです。
考える力は睡眠と一緒で「中身の濃さ」です。
10時間考えても、中身が薄っぺらだったらダメなのです。
・(アイデアを出す秘訣を聞かれて)
人間の偉大な発明や発見は、すべてモノマネから生まれました。
独創的なものなんてほとんどありません。
人間の脳で考えられることなんて、たかが知れている。
物事をたくさん知っていれば、連想が働いてアイデアが浮かぶのです。
アイデアを出すには、たくさんの人に会い、多くの本を読み、
いろいろな場所を旅するしかありません。
これ以外に、アイデアを出す方法はないと思います。
・(本は乱読すべきか、1冊の本を熟読すべきかを聞かれて)
本のレベルによって違ってきます。ただ、古典は熟読以外ないと思っています。
古典を速読するのは、百害あって一利なしです。
ビジネスパーソンなら、古典をはじめとした良本を、
じっくり読むといいと思います。
・(歴史から何を学べるかを問われて)
将来再び起こった時、「過去に起きた大きな危機」について勉強した人と、
そうでない人とでは、危機への対応が全く違ってくるはずです。
将来何が起こるかは誰にも分かりませんが、悲しいことに人間にとって、
その教材となるのは過去しかない。
ビスマルクは「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉を残しています。
個人の経験はせいぜい40~50年くらいですが、
5500年に及ぶ人類の歴史の中に、学ぶべき教訓はいくらでもあります。
ビスマルクの言葉は、この時間軸のことを言っているのです。
それが、歴史を学ぶ意味です。
・真のリーダーとは、志、共感力、統率力の3つがある人。
一言で言えば、自然に人がついていきたい気持ちになるような人。
それが、リーダーの条件でしょう。
・(若い人へのメッセージとして)
人生は、考え方次第です。
今は雨でも、そのうち晴れるからラッキーだと考えられるかどうか。
半分は資質ですが、もう半分は適応力です。
賢い人が必ずしも生き残るわけではありません。
社会は常に変化している。大事なのは、運を呼ぶ力と適応力でしょう。
う~む、なるほど…。
出口会長の、どのお言葉も実に説得力があります。
それにひきかえ、いい歳になって、私の口から出てくる言葉の、実に軽いこと。
でもそれも、「考え方次第」ということにしておきます……。(苦笑)