今月10日の日経新聞「今を読み解く」は、 ノンフィクション作家・久田恵さんの
『問われるセカンドライフ~地域に居場所づくりを』というタイトルの記事で、
その冒頭は次のような文章で始まっていました。
『団塊世代が70代に突入した。定年延長で会社につながっていた人も
完全フリーになり、いやおうなく今後のセカンドライフの生き方が問われている。
介護現場を取材していると、 「あの団塊世代が要介護老人になったら…」
との声をよく聞く。 どうもこの世代は権利意識が強く、
批判精神が旺盛で扱いにくいと戦々恐々とされているらしい。
一方では「アクティブシニア」とも呼ばれてきて、
自分なりの価値観をもつ世代と定義され、
社会に積極的にかかわる新しいシニアのイメージも持たれている。
目下、70歳男性の平均余命はほぼ16年、女性は20年で年々長くなっている。
セカンドライフはもう余生ではなく、
新たな人生ステージとして再検討されねばならなくなっているのだ。』
ちなみに、この「団塊の世代」をウィキペディアで調べてみると、
次のように書かれていました。
『団塊の世代とは、日本において、
第一次ベビーブームが起きた時期に生まれた世代を指す。
焼け跡世代の次の世代に当たり、
第二次世界大戦直後の1947(昭和22年)~1949年(昭和24年)
に生まれて、文化的な面や思想的な面で共通している戦後世代のことである。
第一次ベビーブーム世代とも呼ばれる。
日本経済においては第二次世界大戦後の高度経済成長、
バブル景気を経験している。』
私の周りを見渡しても、例えば従兄・従姉は団塊の世代で、
また、今の職場の上司である理事長も団塊の世代ですが、
いずれも前向きな考え方とパワフルな行動の持ち主であることを実感しています。
そして、そのたくましい生き様は、常に私の見本となっています。
ところが記事では、先ほどの文章の後に、次のような記述がありました。
『高齢者は裕福といわれているが、それは団塊の上の世代まで。
子どもが非正規雇用で、援助をしていたり、
長生きの親の介護がリタイア後に重なっていたりもする。
核家族化で親を介護するが子どもには自分の介護を期待できない
サンドイッチ世代でもある。
現実には、優雅なセカンドライフを送っているのは少数派。
多くは、生活維持のために、「ずっと働き続けたい」というのが実態だ。』
う~む、なるほど……。現実は厳しいものがありますよね……。
ところで、この「サンドイッチ世代」という定義に関しては、
私にも当てはまるところがあります。
高齢の父と同居していて、日常はその父の世話に追われ、
娘はシングルマザーで仕事と育児で忙しく、
休日は妻が孫娘の面倒を見なければならないような状態で、
私たち夫婦の介護を、将来、娘に期待することはできません……。
さらに、記事の最後には、
『今後のリタイア男性は、自ら多様な人生ステージを創出することをためされている。
その先行世代だとの覚悟が必要だ。
家庭や地域に軸足を置き、時代を動かす担い手になることが期待されている。』
と書かれていました。
自分に限って言えば、リタイア後は疲れ果てて、
時代を動かす担い手どころか、 社会のお荷物になりはしないかと心配しています。
セカンドライフを生きるのも、難しい時代になっているのかもしれません。