「沛然(はいぜん)」という言葉を新明解国語辞典(三省堂)で調べると、
『「雨が盛んに降る様子」の意の漢語的表現』という語釈がありました。
昨夜の雨は、まさにその「沛然」という言葉のような激しい雨でした。
公職選挙法の買収違反容疑で逮捕したことを受け、今日の日経新聞一面コラム「春秋」には、
次のようなことが書かれていました。
『おカネに色はない、という。
だが、人は無意識のうちに様々な収入を、心の中の「帳簿」で仕訳し、支出行動を決めるのだという。
汗水たらして得た報酬は大切に使おうとする。
一方、賭けマージャンや公営ギャンブルで勝った利益は「棚ぼた」と考え、散財しがちだ。
行動経済学の権威でノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラー氏は、
これを「メンタル・アカウンティング」(心の会計)と名付け、不合理な人間の振る舞いを研究した。
当局が税金を多く徴収し、後に還付すると‥‥。人々は案外、無頓着に使ってしまう。
「あぶく銭勘定」に色分けする心理が働くのだろうか。‥‥
政党への公的助成は、政治家の不正なカネ集めを抑制する目的で制度化された。
もし私たちの税が、買収の原資になったとしたらやりきれない。
政治資金の使途は不明朗で、キャバクラ代などに支出した例もある。あぶく銭と考えているのか。
事件のもう一つの闇はここにある。』
う~む、なるほど‥‥。「心の中の帳簿」「心の会計」ですか。上手い表現ですね‥‥。
とすると、政府からいただいた「特別定額給付金」は、
それぞれの人の心に、どんな「仕訳」心理をもたらすのかしら‥‥?
家計収入の一定額を年金に頼り、将来不安も消えない我が家にとっては、とっても大切なお金です。
紙面の先生方のような「あぶく銭勘定」という感覚は、心の片隅にもありません。