しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

叱咤激励と受け止めた本

『還暦からの底力~歴史・人・旅に学ぶ生き方』(出口治明著:講談社現代新書)を読了しました。


有益な記述が盛りだくさんだった本書のなかでも、

なぜか出口さんが引用された、お二人の言葉が強く印象に残りました。

その一つは、フランスのエマニュエル・マクロン大統領の著書「革命」のなかの言葉。

『私は、自らの文化と価値観を伝えるフランス、チャンスを信じ、リスクをとり、希望を持ち、

 不当な不労所得や私腹を肥やした人間の冷笑的態度を認めないフランスを望む。

 一人一人が人生を選択し、自分で働いて生計を立てることができ、

 効率がよく、公正で、行動的なフランス、最も弱い者のことを考え、

 自国の国民に信頼を寄せている、さまざまな面を融和させるフランスを望む。』


もう一つは、元・東大全共闘代表で、在野の科学史家・山本義隆さんの、

「人は何のために勉強するのか?」という質問に対する答え。

『専門のことであろうが、専門外のことであろうが、

 要するに物事を自分の頭で考え、自分の言葉で自分の意見を表明できるようになるため。

 たったそれだけのことです。そのために勉強するのです。』

そして、著者の出口さんご自身の言葉といえば、

なんといっても『迷ったらやる。迷ったら買う。迷ったら行く』でした。


「考える葦」としての人間の成長には完成も終わりもないから、

大人になっても一生勉強し続けることと、健康寿命を延ばすために長く働くこと、

この二つを特に強調されていた出口さん‥‥。

「敬老思想」にどっぷりと染まった私には、本書の内容を実践するのはハードルが高いけれども、

叱咤激励のお言葉と素直に受け止めました。