しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

電子書籍に初挑戦

先日のアマゾン・プライムデーKindle端末を購入したので、電子書籍を試しに購入してみました。

最初に選んだのは、『日本の思想』(丸山真男著:岩波新書)です。

この名著は、岩波書店「図書」(臨時増刊2018)の「はじめての新書」でも、

多くの識者の方が紹介されています。


ちなみに、著者は、「あとがき」で次のようなことを述べられています。

『‥‥けれども、私は「日本の思想」でともかくも試みたことは、

 日本にいろいろな個別的思想の座標軸の役割を果たすような思想的伝統が形成されなかったという問題と、

 およそ千年をへだてる昔から現代にいたるまで世界の重要な思想的産物は、

 ほとんど日本思想史のなかにストックとしてある事実とを、同じ過程としてとらえ、

 そこから出て来るさまざまの思想史的問題の構造連関をできるだけ明らかにしようとするにあった。』


私も、大学生の頃に本書を読んだ記憶があるのですが、本そのものは、今は手元にありません。

どこかの時点で処分したか、あるいは、思いがけず書棚の奥の方から、突如、姿を現すかもしれません。

今回、数十年ぶりに読み直して感じたのは、

論文体で書かれた「日本の思想」と「近代日本の思想と文学」は、やっぱり私には変わらずに難解であること。

一方、講演体で書かれた「思想のあり方について」と「「である」ことと「する」こと」は、

組織の中で長年生きてきたせいでしょうか、ストンと腑に落ちるところがありました。

(例えば、「タコツボ型」と「ササラ型」とか‥) 少しは「思想的に」成長したのかもしれません。


ところで、私はいままで、「本は紙ベース」という信念(?)を持っていたのですが、

Kindle端末の電子書籍にも多くのメリットがあることが分かりました。

「文字を大きくすることができて読みやすい」、「分からない言葉は辞書機能で即座に調べられる」、

「ハイライト機能を使うことによって、自分にお気に入りの文書を登録できる」などなど‥‥。

これからも「紙媒体」と「電子媒体」を、ケース・バイ・ケースで使い分けたいと思っています。