「月光仮面」、「寝押し」、「渡り廊下」、「スカ(駄菓子屋)」、「東京オリンピック」、「おかっぱ」、
「ボンネットバス」、「呼び出し電話」、「一人旅」、「行商のおばちゃん」。
愛媛新聞生活面で連載が続いている「ふるさとの情景」は、今月で掲載10年を迎えるとのことで、
今日はその特集記事が2ページにわたって掲載されていました。
特集の内容は、本県大洲市出身のイラストレーター、村上保さん(71)の切り絵作品とインタビューで、
冒頭に列挙したのは、掲載されていた切り絵作品です。
そして、村上さんへのインタビュー記事では、次のようなことが書かれていました。
『‥‥「ちようど連載10年。何か形にできたら」とまとめた新刊「あの日の風景」には、103作品を収録。
「最初はあまり意識せず、懐かしいもの、消えゆくものを描いていた。
でも今振り返ってみれば、一貫したものがあったと」。
それは「長閑(のどか)さ」と「心の豊かさ」だった。
当時は誰もが貧しく、単純に「昔はよかった」とは思わない。
「でも便利な道具がないから工夫したし、風呂や電話がないから隣家に借りに行き、交流も生まれた。
何より、未来はもっとよくなるという夢と希望があったから‥」‥‥』
はぃ‥、切り絵作品の中で、私にとって思い出深いのは、「寝押し」と「ボンネットバス」でしょうか‥。
学生ズボンをせんべい布団の下に敷いてアイロン代わりにしていたし、
母の実家・双海町小網に帰省する際に乗ったバスは、ボンネットバスでした。
『みんなが貧しかったけれど、夢と希望は抱えきれないほどあった昭和の高度成長期。
東京タワーが完成した昭和33年、東海道新幹線開業と東京オリンピック開催に沸いた昭和39年‥。
テレビや電気洗濯機、冷蔵庫などが次々と登場し、日本中が高揚していた希望溢れる時代は、
その一方で長閑な風景や慣れ親しんだ道具の数々を失う始まりでもあった。‥‥』
村上さんの当該著書『あの日の風景 昭和が遠くなる』を「Amazon」で検索すると、
このような文章がありましたが、まさにその通りだと思います。
そうそう、そういえば、村下孝蔵さんの名曲「初恋」のCDジャケット装画も村上さんの作品でした。
曲のイメージにぴったりな名作品だと思います。