昨日、高松地方気象台から、「四国地方が梅雨入りしたとみられる」との発表がありました。
平年と比べ8日遅く、1951年の統計開始以来、5番目に遅い記録だそうです。
この梅雨入り発表のとおり、今日は終日、雨が降ったり止んだりの、ぐずついたお天気となりました。
さて、kindle端末で『菊と刀』(ベネディクト著、角田安正翻訳:光文社古典新訳文庫)を読了しました。
月に一度の病院通いの日の、往復の郊外電車の乗車時間や診療待ち時間を利用しての読書だったので、
読み終えるまで長い期間を要しました。
本書を読み終えて、特に印象に残ったというか、一番驚いたのは、
文化人類学者である著者が、「一度も日本に来たことがなかった」という事実です。
ですから、書かれている内容には、違和感を感じる箇所がいくつもありましたが、
それにしても「日本」と「日本人」を、よくぞここまで丹念に調べたものだと感心しました。
なお、書名の「菊と刀」について、「訳者あとがき」では、次のように書かれていました。
『‥‥しかし、最近の通説では第12章の叙述にもとづいて、
菊と刀の意味は大よそ次のように解釈されている。
菊の花が象徴しているのは、自由を自制する戦中および戦前の日本人の生き方のことである。
また刀は、狭い意味では刀の輝きを保たねばならない武士の義務のことであり、
広い意味では自己責任をまっとうしようとする日本人全般の強い意志のことであるーー。』
そうであるならば、「日本人」について、何百ページを費やして論ずるよりも、
この「菊と刀」というたった「3文字」で、十二分に「日本人」を論じているようにも思います。
でも、これはあくまで戦中・戦前の日本人の生き方のこと‥‥。
今の日本人の生き方は、どのような文字で表現したらよいのでしょうね‥‥?