今日の日経新聞「経済教室」に、猪木武徳・大阪大学名誉教授が、
「危機と分断の時代①~問題の「根」を探り向き合う時」という論評を寄稿されていました。
この論評の冒頭と文末に猪木先生は、次のようなことを述べられていました。
『旧年は疫病、戦争、異常気象が続く恐れと不安が入り交じった苦難の年であった。
新年はそうした厳しい状況をそのまま引き継いだ状態でのスタートとなる。
困難な状況に適切に対応するためには、漠然たる不安と恐れの内実をできる限り明確に言葉と文字にし、
問題の「根」に向き合うことが必要であろう。そうした作業こそが希望への確かな道に通じると信じる。』
『デモクラシーの柱の一つは言葉への信頼である。その信頼が崩れたとき何が起こるのか。
人間がレンガで天に達する塔(バベルの塔)を共同作業で造ろうとしたとき、
この野望に対し神が作業中の人々の間で互いに言葉が通じないようにさせたという話は、
とても大昔の遠い国の物語として済ますことはできない。言葉が混乱すると政治が混乱する。
「名を正す」ことが政治の要諦であることは今も昔も変わらないはずだ。
新年に当たり、われわれへの試練として与えられた難問を直視し、
書き手や話し手による自己検閲で軽くなった言葉への信頼を取り戻す力が生まれることを願いつつ、
明るい長期的シナリオをゆっくり描いてみたいものだ。』
う~む、なるほど‥‥。
「困難な状況に適切に対応するためには、漠然たる不安と恐れの内実をできる限り明確に言葉と文字にし、
問題の「根」に向き合うことが必要」ですか‥。
ということは、個人についても、日々の漠然とした不安などを、こうして文字にして日記に書くという作業も、
希望を保つうえでは大切なことなのですね‥。
昨日に続いて、こちらも「心したい」と思います‥‥。