今日の愛媛新聞文化欄に、年始論壇インタービューとして、
米国研究者の渡辺靖・慶応大学教授の論評が掲載されていました。
米大統領に自国第一主義を強く訴えるトランプ氏が返り咲くなど、世界が不安定化の兆しを見せ、
民主主義の危機さえささやかれる状況で、私たちはどのように考え、動くべきなのか、
渡辺先生は、次のようなことを述べられていました。
『‥‥米国は18世紀、広大な領土を市民が自ら統治するという「民主主義の実験国家」として誕生しました。
200年以上この実験は成功していますが、永続する保証はない。
経済格差の拡大など、民主主義を揺るがす事態が最も進んでいるのが米国だとも言え、
学ぶことは多くあります。自らとは違う意見から学ぶという自己批判力や自省力が民主主義の特質であり、
権威主義とは異なる点です。
国際政治学者のジョセフ・ナイはこれを「メタ・ソフトパワー」と呼びました。
SNSを見ると感情的な対立が目立ちますが、われわれ市民一人一人も、
たとえ意見が違う相手がいたとしても「この人はどういう立場でこのように言ってるのか」
などと俯瞰して考える。そのような自制心が、今後は特に大事になると思います。』
なるほど、「自らとは違う意見から学ぶという自己批判力や自省力」が「メタ・ソウトパワー」なのですね。
ひとつ勉強になりました‥。
この「俯瞰して考える自制力」は、私に最も欠けている資質かもしれません‥‥。